2023年秋〜2024年春の鍋のトレンド

まだまだ名残はありますが、徐々に経済活動や他者との交流も戻って来つつあります。
とはいえ、3年間で変わった生活様式は、人の「あり方」「行動」に大きく影響することになりました。
その中のひとつが、「家族との関わり」です。
コロナで関わりを失って、どれだけ大切かを思い知った方もいらっしゃることでしょう。
いまだに、同じ鍋に箸を入れることをためらってしまう、その行動が、新しいあり方であり、今後の新しい生活になっていくことと思います。
そんな、新しい鍋料理のトレンドを今年も考えたいと思います。
2023年秋から2024年春の傾向です。
10年前より日本鍋文化研究所で、日本の鍋料理を中心とした食文化の普及活動をしています。
料理研究家としてメーカーさんとお付き合いをする中での傾向、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなど流通での品揃え、テレビ、SNSからの情報、その他食品以外のトレンド情報を素に、オリジナルに考えたものです。
ぜひ、これからの冬の一興としてお役立てくださいませ。
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今年(2023年秋~2024年春)の鍋料理のトレンド
コロナも終息・・・というか共存という新たなステージになり、それと同時に
海外からの観光客がやってくることによって、長かった「閉塞感」が終わりを
告げました。
今年は、最初に書きましたように、新しいあり方、開放感からの「多様性」がトレンドになります。
民族の多様性、素材の多様性、味の多様性、食感・シチュエーションに至るまで、
様々なものを組み合わせて、新しいものが生まれてくるタイミングかと思います。
鍋に関しても、鍋つゆを鍋そのまま食べるだけでなく、味を変えたり形を変えたり・・・。
自分が心地良いと思える各自のやり方で、おいしく食べていただくのが一番!
ぜひぜひ、大きな声で笑いながら、鍋の団欒を楽しんでください。
家庭用の鍋つゆでは、しゃぶしゃぶと鍋を合わせた「しゃぶ鍋」の種類がさらに増えています。
普通の鍋よりも短時間で支度ができ、「また鍋?」と言われないしゃぶしゃぶに多様な味がつけられる「しゃぶ鍋」は、夏の間も大人気でした。
この冬は、さらに種類を増やして楽しめるでしょう。
また、ラーメン店とのコラボ鍋つゆも一昨年・昨年に引き続き人気です。
味もより多様化して、締めの「鍋用ラーメン」も、生麺から乾燥麺まで、形もストレート、ちぢれ麺、長いものから短いものまで、さまざまな種類が出て来ました。
さらに、お取り寄せ鍋については、以前は地域の名産品であったり、ホテルや旅館で提供されていたものをお取り寄せ用にパックしたものが主流でしたが、お取り寄せ鍋が人気になり、ふるさと納税などでも高額な鍋セットが購入されることもあり、こだわりをもって「お取り寄せのため」の鍋も作られるようになりました。
コンビニ鍋では、アルミ鍋からレンチン型が主流に。昨年は、セブンイレブンで地域訴求の「鍋フェア」が行われるなど、注目が高かったのですが、今年もその傾向が強く出ることでしょう。
食べ方さまざま、種類さまざまな鍋で、多様性の時代をみんなで感じましょう。
今年はもう一年中鍋!あったか~~~、グツグツvv!!
日本鍋文化研究所名誉鍋奉行
料理研究家 安井レイコ