2014年 05月 21日
意外と知らない老齢年金の繰上げ繰下げ受給の仕組み
マイアドバイザー®jp登録ファイナンシャルプランナーの川崎由華です。
お金に関することならば幅広く何でも!という専門家がファイナンシャルプランナーですから、人生経験は別として、お受けするご相談の内容は本当に様々。
私よりもずっと年齢が上の方、母親よりも上の方のご相談をお受けすることもあります。
先日お受けしたのは、教育費の捻出には目途が立ち、子育てが一段落された方のリタイアメントプランについて、つまり退職後の生活設計についてのご相談でした。
退職後の生活設計は、楽しみにとっておいた夢や、理想の生活のイメージをお聞きしながら、公的年金を中心に、生命保険会社などで加入されていた個人年金、退職金を含めたこれまでの預貯金などで、いかにお金をやりくりしていくかを一緒に考えていきました。
事前にいろいろ勉強され、かなりご自身で知識を深められていた方でしたが、それでも「知らなかったです!」と驚かれた制度の仕組みをここで触れたいと思います。
それは、老齢年金の繰上げ受給・繰り下げ受給についてです。
繰上げ受給とは本来受給開始の65歳より前から年金を受け取り始めることで、65歳の時の年金よりも減額した年金額を生涯受給していきます。
繰り下げ受給とは、反対に65歳より後になってから年金を受け取り始めることで、65歳の時の年金よりも増額した年金額を生涯受給していきます。
これはよく知られていることですが、この繰上げ受給と繰り下げ受給は、老齢基礎年金(国民年金)だけでしょうか?老齢厚生年金についてはどうでしょうか?
実は、老齢基礎年金を繰上げ受給する場合は、老齢厚生年金も同時に繰上げ受給となります(男性は昭和28年、女性は昭和33年4月2日以降生まれの人)。
一方で繰り下げ受給に関しては、どちらも同時でなくてよく、老齢基礎年金を繰下げ受給して老齢厚生年金は65歳から受給する、もしくは逆に、老齢基礎年金は65歳から受給して老齢厚生年金を繰り下げ受給するといった選択ができます。
ご存知でしたでしょうか?
繰上げと繰下げの受給の仕組みは違うのです。
厚生労働省発表の平成24年簡易生命表によると、60歳男性の平均余命は約23年、女性は約28年。
子育て真っ最中の時には気付く余裕もないでしょうが、退職後の人生は子育て期間以上に長いものだと考えると、早い時期から退職後の生活設計を意識し、準備していくことの大切さが分かるのではないでしょうか。
老齢年金の繰上げ受給、繰下げ受給だけに限らず、しっかり制度の仕組みを押さえておきましょう。