2010年 03月 28日 ( 1 )

ブルー・オイスター・カルト


梅田の地下街を歩いていたら、こんな好戦的なメニューが。

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カキフライは、揚げもののなかでもとりわけステージの高い、別格なひと品だ。
注文すると、必ずといってよいほどタルタルなど専用のソースが添えられる。
また店によっては、カキフライにだけ上等なポン酢をセットする場合がある。

ぷりっぷりに丸っこい牡蠣に火が通ると、泉のようにジュースがあふれ出す。
なんというエロおいしさ。
カキフライはそれだけ貴賓待遇される、フライ界のフライ級チャンピオンなのである。

そんなカキフライがこれだけ語気を荒めるということは、よほどの辱めを受けたのだろう。

牡蠣は多くの人に愛されながらも、同じくらい誤解を受けやすい食べ物だ。
常套句のように「旬は冬!」と刷り込まれ、海外には「Rがつかない月(5月~8月)の牡蠣は食べるな!」ということわざまである。
春を過ぎると牡蠣の身が痩せ細ってしまい、おいしくなくなるから、だそうだ。

しかし、一概にそうとは限らない。
日本の場合、漁場でのプランクトンの発生が盛んになるのは4月以降。
牡蠣はそのプランクトンを食べ、夏の産卵に備えて太る。
ゆえに海外とは逆に「Rのつく月のほうがおいしい」とすら言える。
三重県で獲れる岩牡蠣は「夏ガキ」とも呼ばれ、Rがつく月にこそ絶好調だ。
牡蠣は複雑かつ官能的な食感で人々を魅了する魔性の女、まさに「Rの女」なのでR。

なのに春以降の牡蠣は味が落ちるという、迷信に近いことをいまも信じている人が多い。
「てやんでー!」とヤケを起こすのも、無理からぬことだ。

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by yoshimuratomoki | 2010-03-28 17:37 | 大阪府