2004年 07月 19日 ( 2 )

飛び上がるほどオイシイ駅前商店街

 関東の駅名は、面白い。駅名がそのまま関東の近代史を物語っている。

 たとえば東急東横線学芸大学駅。この駅に同名の大学は、いまはない。駅名だけが遺跡として残っているのだ。また、かつては海鮮料理店の建ち並ぶ花柳街だった京急本線大森海岸駅も、いまでは埋立地が拡がり、決して海岸沿いの駅ではない。

 駅ではないが、目黒には「元競馬場前」というバス停がある。これなど昭和8年に府中に移築されているから、「いつまで“元”呼ばわりなんだ!」という気がしなくもない。まるでいまだに工藤静香を「元おニャン子クラブの」と紹介しているような。それだけ地元の人々の思い入れが強いのだろう。駅やバス停は、場所だけでなく、時間をもバック・トゥ・ザさせてくれるのである。休日に、こうした“関東ルインズ”駅を訪れるのも、なかなか味のある過ごし方ではないだろうか。

 最近、「関東遺跡駅」に仲間入りしたのが小田急小田原線向ケ丘遊園駅。2002年の3月に、75年の歴史の幕を閉じた向ケ丘遊園。東京、神奈川の人々の心の拠り所だったこの愛らしい遊園地は、いまは駅名にのみその在りし日が刻まれている。

 往時は遊園地へ出かける家族連れやカップルで賑ったであろうこの駅も、いまではちょっぴりメランコリック。商店街が広範囲に渡るだけに、哀愁をより一層きわだたせている。

 しかし、住民の「アトラクション魂」は決して火が消えてはいなかったッ! 「飛び上がるほどおいしい豚肉売ってます」。ジャンピング・ポーク・フラッシュ! たとえどんなに美味な豚肉をいただこうと、まず飛び上がりゃしないと思うんだが、向ケ丘遊園ソウルは住民の言語感覚のなかに、いまも脈々と息づいているのだ。
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 そういえば、先日とあるカツ丼のチェーン店に行ったおり、一挙に150円も値上げしているのには、さすがに飛び上がるほど驚いた。BSE騒動で豚肉の需要が一気にあがり、原価が飛び上がっているのだろう。味は、残念ながら飛び上がるほどにはうまくもなかったが。

by yoshimuratomoki | 2004-07-19 20:07

こんにちは。

 ライターの吉村智樹です。僕は街歩きが大好きで、部屋でじっとしているのが苦痛。「引きこもり」ならぬ「出こもり」人間です。特に駅前商店街を歩くのが好きで、商店街からパワーをもらう「商店街浴」が僕の健康法。このブログでは、そんな商店街ちんたらWalkerな僕が毎回、街で見つけたイイ湯加減の物件を紹介してまいります。BGMはエアロスミスの『ウオーク・ディス・ウエイ』。

by yoshimuratomoki | 2004-07-19 20:04