炎のエスカルゴ

兵庫県を南へ走る地下鉄海岸線に「中央市場前」という駅がある。
シーサイドのきわきわに位置するここは、活気に満ちた「中央卸売市場」の最寄り駅だ。

この駅を利用する人のほとんどが料理関係者。
アマチュアが立ち寄ることは、まずない。
早朝から青果鮮魚精肉を求めるコックさんや板前さんが詰めかけ、昼下がりにはもう“終電”の様相を呈す。

そんな場所柄だから、喫茶店の名前さえも完全プロ志向
なんと、

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喫茶「火の用心」。

繁華街では見かけない、というかありえない店名。

しかし厨房で火を扱う人々にとっては、コ洒落た名前の難読カフェより、ずっと目がさめるネーミングだろう。
マスター自身が過去に、標語を店名にしなきゃ気が済まないほど、ハートに火がつけられる出来事があったのかもしれない。
看板に取り付けられた、赤いパトランプが意味深だ。

さて私ごとだが、大阪の四天王寺に引っ越した。
ハイソなエリアでありながら、家賃は破格に安い。
理由は、老朽化が激しい木造物件だから。

入居に際し、大家が僕に出した条件は「ぜったいに喫煙しないこと」。
火事になったら瞬時に灰と化す乾きった家屋なので、火の気を少しでも絶ちたいから、とのこと。

おかげで高校時代から続く長い喫煙歴にやっとピリオドが打てた。
転居後はタバコを一本も吸っていない。
身体の調子がすこぶるいい。

健康のために「火の用心」。オススメだ!
(薦めるとかいうもんでもないだろうが)。

by yoshimuratomoki | 2010-02-06 14:38