ムーン・ラッピン

 これは西武新宿線『野方』駅前で見つけた貼り紙。野方は実にのんびりとした街なので、俄然異彩を放っていた

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 『喧嘩餃子』。きっと上等な餃子なんだろう。「喧嘩ラーメン」って漫画はあるけど、餃子も喧嘩すんだなぁ。5ヶ入りか。ふたりで食べたら、そりゃ喧嘩になるわ。ムードがピリ辛にもなろう。やっぱりタイマン張る時は、「ヤキを入れてやる!」なのだろうか。

 餃子といえば、よく言われるのが、「中国には日本のような焼き餃子はない」「中国の餃子は日本のように大量にニンニクを入れない」。

 日本で餃子を焼くようになったのは、白米のおかずとして食べやすいように、という説がある(中国では餃子でおかずを食べる)。またニンニクを大量に入れるのは、戦後、豚や牛などの値段が高く、そのためマトンを使ったから。マトン独特のにおいを消すためにニンニクを入れた名残だという説がある。

 しかし、そんな「中華料理ひとくちメモ」な常識が通用しない時代が来るかもしれない。『餃子の王将』が8月メドで中国・大連に1号店を出すのだという。もちろん、焼き餃子で。ニンニクたっぷりの。

 餃子は、旧くは中国トルファンのアスターナ遺跡で化石が見つかるほど歴史のある食べ物。そこへ、「餃子を焼く」というコペルニクス的転回な新手で日本が出店するとなると、むこうの人の驚きは相当なものだろう。これは日本に例えると、なんだろう。海外資本のホテルのバーでアボカド巻きを食べる、みたいなもんか?(あ、だったらぜんぜん受け入れられるな)。それともインドで牛丼の店を出すようなものだろうか(そりゃたいへん!)。

 焼き餃子が逆輸入して、その美味しさが中国でもポピュラーになるのか、それとも反日感情が鉄板になるのか、おれにはわからない。ただひとつ言えることは、現地の事情を知ろうにも、大連に行く予定がまったくないということだ。(吉村智樹

by yoshimuratomoki | 2005-03-12 00:17