ブラック・マジック・ウーマン

 これは『東京』駅の地下街にある喫茶店で見つけたメニュー。

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 パフェの名前が『おばたりあん』……。ご丁寧に角がはえている。しかし、実際にこのパフェを頼むおばたりあんはいないだろう。おばたりあんの特徴はケチ。こんな値段の高いパフェも頼むはずがない。いや、もしかして3人で来てこれ一個だけ注文したりして。

 お笑いの定番と言えば「大阪のおばちゃん」ネタだ。「大阪の店のおばちゃん、お釣りを渡す時、必ず『はい、100万円』と言う」という、あのネタ。もう100万回聞いた

 しかし、あえて異論反論オブゼクションしよう。決してそんなことはない。

 以前、東急田園都市線・大井町線『二子玉川』駅近辺を取材した時のこと。二子玉川といえば純正セレブリティが集うハイソな街。見目麗しいフタコマダムたちが、超一流ブランドものをおめしになり、優雅にお買い物をお楽しみあそばせるスポットだ。

 そんな二子玉川の軽食店に入った時のこと。お店のおばさまがお釣りをお渡しあそばせる時、こうおっしゃりあそばせた。「はい、100万円」。おれは我が耳を疑いあそばせた。あの、ここ、大阪の下町じゃないでしょ? 東京でしょ? しかもそのなかでも選りすぐりのセレブリティが集まるニコタマでしょ? 思わず出身が関西かどうか訊いてしまった。しかし東京生まれの東京育ち。代々、世田谷区民だという。

 その時、やっとわかったのだ。「はい、100万円」は、大阪のおばちゃんだから言うのではない。おばちゃんの境地に達した人は、どこに住もうと、みんな言うのである。おばちゃんに国境はない。そして、もうひとつわかったこと。それは、いくらニコタマだからって、お釣りが「はい、1000万円」にはならないということ。(吉村智樹

追記1:おばちゃんの生態を描いた堀田かつひこさんの大ヒットギャグマンガ『おばたりあん』。主人公のおばたりあんの苗字は「小畑さん」。コジローさんの『おばんぱいあ』という漫画もある。

追記2:『おばたりあん』の単行本の宣伝コピーは、「おばんです」。このコピーを書いたのは、故・中島らもさん。

by yoshimuratomoki | 2005-02-25 17:49