危険な情事

ミナミを歩いていたら、いきなり物騒な看板に出くわした。

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「食べるな危険!!」。

街でこれほど具体的に“危険”を感じたのは、いっときやたらめったらあちこちに貼られていた「魔ゼルな規犬」のステッカーを見たとき以来。

この看板、当たり前だが、食べたらアタる、といった意味ではむろんない。
朝挽いたばかり地鶏のおいしさを知ってしまったら、「トリ(×ラ)ウマ」になっちゃうよ~、といった軽いしゃれだ。
しかし僕のようにいつも哀しい気分でジョークが通じない人間には、「危険!!」と言われると、脊髄反射でついつい「鳥インフルエ……」とツイート、おっと、つぶやいてしまう。
頭の中がパンデミ……いやパニックになってしまうのだ。

僕はこの世でもっともうまい食べ物は、焼き鳥だと思っている。
そしてその考えは歳を重ねるごとにいっそう強固なものに。

ヘビ歳生まれだからだろうか、ともと鶏肉上等!な子供だった。
他の子供がペロペロキャンディーをなめているのに、僕だけ手羽先をかじっている写真が実家に残っているほど。

大人になると味覚が変わるというが、鶏肉への嗜好は変わるどころか強まった。
それはカウンターで焼き鳥を食べる楽しみを覚えたからだろう。

週末に焼き鳥屋のカウンターで、串をついばんでいると、常軌を逸した幸福感が襲ってくる。
焼き鳥を食い、梅酒ソーダをちびりちびりしながら、ケータイでインターネットのハシゴをする。
この至福の時間を得るためだけに鶏口にも牛後にもかしずいて働いているのだ。

しかしこの飲り方、実は危険と背中合わせ。
焼き鳥は串に肉の小片を刺した、ちまちました食べ物。
いくら食べても満腹感を得にくい。
さらにアルコールが入った状態でケータイをいじりネットの閲覧などを始めると、終わる、〆る、という感覚からどんどん遠ざかってゆく。

だから安いチェーン店であっても、会計の際にけっこうな料金にふくれあがっている。
それを見て、そういう祭りなのかと思うほどの量のトリ肌が立つことになる。

by yoshimuratomoki | 2010-04-17 22:29 | 大阪府