朝、早くに信じられないニュースがTVで放送されて
いた。オーストリアのコンバインドチームの宿舎に、ドーピング疑惑のため、深夜抜き打ちで警察官数名が捜査。そのため明日の試合を控えていた選手が、ほとんど睡眠出来ない状態で試合に望み・・・・・・・・・いったい何が起きたの?
今年の世界トップ10位の選手はいつでも表彰台を狙える
MORGENSTERN Thomas 選手とKOFLER Andreas 選手。現在世界ランキング6位と7位の活躍で、オーストリアチームが最高の結果を出しましたね。
ノルウェーチームのLJOEKELSOEY Roar(4位) ROMOEREN Bjoern Einar(9位)BYSTOEL Lars 選手(10位)選手層から言えば、当然優勝候補NO1でしたけど・・・・特に失敗ジャンプをした選手がいるわけではなかったのに、残念!これが、ジャンプの難しさかな?
MORGENSTERN Thomas 選手。彼の、ジャンプティクニックは、とてもベーシックな技術ですが、最近のルールに対して効率の良い技術だと思います。特にすばらしく、彼しか出来ないものではありませんが、完成度の高い状態で、ラージヒル・団体戦を迎えられたのでしょう。日本選手で言えば、伊東選手と同じ傾向があります。お互い年がまだ若いので、アプローチポジションで、お尻の位置が、他の選手よりも、あえて若干低くくして
(これは、まだ若年のため足のパワー不足を補うために姿勢を低くする)しながら、そのまま膝が前に倒れないように、立ち上がって、一番高い位置まで、出来るだけ早く、そして長いストロークで飛び出しているのです、今回彼が、この2戦他の選手より抜きに出ていた所は、誰が、何と言ってもタイミングが、ほとんど狂う事無く飛び出して行けた事ですね。最後は、タイミングがジャンプの生命線ですから、どんなに凄いテクニックを持っていても、パワーを持ち合わせていても、タイミングが1mも外れれば、全てダメで、当然遠くには、飛んでいけませんので。
また、本人も話していましたが、ここのジャンプ台のプロフィールが自分に合っていたそうです。だから、タイミングも合わせやすかったのでしょう。
原田選手が、日本で調整していた時よりも、こちらのジャンプ台で練習した方が、はるかに大ジャンプをしていました。これは、大きな要因としては、彼も話していましたが、このジャンプ台は「1・2・3・」でピッタリと立てるそうです。ジャンプにとってタイミングはこれほど大切なものなのです。
本当に、6位が予想順位なのだろうか?私は違うと思う!!
日本チームは本当に、6位が現状の力だと思っているのでしょうか?参加した4選手の個人の最高の力を引き出して上げれば、表彰台も狙えたと思いますし、その結果を出せる選手が、そろっていたのではないでしょうか?岡部選手は、現在世界ランキング11位、葛西選手は17位伊東選手が18位。しかし、オリンピック直前のワールドカップでは、3選手は、うなぎ登りで調子を上げて、直前では、いつでも表彰台を狙える位置まで調整されていたではありませんか。
それが、会場入りして初戦で、原田選手の失格から始まり、選手一人が悪いかのようなスタッフのコメントや対応。これでは、他の選手にも影響が出るに決まっています。ノーマルヒルではそれが影響したのか、3選手共、考えられない成績で終わったわけです。初戦の結果と今後のチーム環境を考えた時に、ブレーキを掛けるなら、スタッフが誰か一人挙手して、
「全て私の、指示、管理ミスでした、申し訳ありませんでした」と言って責任取って、日本に帰国するぐらいの、スタッフパワーが必要ではなかったのかと、それほど、タイミング的には、チームにとって大きな問題だったはずです。そのぐらい大きなアクション対応があれば、こんなにチームのモチベーションも下がらなかったのではと思う。
また、組織環境にも、問題がありますね。葛西・伊東・高橋選手は、私のチーム選手ですし、岡部選手は、雪印スキー部の選手です。お互い別々に、日頃練習して、信頼しているコーチと技術を育んでいるのです。これが現状の日本ジャンプ界であり、現実企業が選手を育成しているのは否定できないところです。
ところが、突然、オリンピックや国際大会になると、我々の手から離れて、ナショナルチームのスタッフと行動を共にして、技術指導されても、これは、矛盾が生じ、一番困惑しているのは選手でしょう。この問題は、実に簡単な、ただの環境作りですから、すぐにでも解決出来るはずです。これが解決出来ないようでは・・・・・・
選手の力を出し切れるわけがありません。
根本的に組織変革をしなければ、この先も同じ事の繰り返しになるのでは?代表選手を送り出した企業のコーチや監督が会場に入れないのでは、選手のコンディションや精神状態など全てに把握する事が出来ないので対策が出来ません。選手と直接合って話す事も、指導する事も出来ない事に、疑問を感じないのでは、
これは
「長野の栄光から時間が止まったままですよ。」
あえて厳しく総括させて頂くと、惨敗したのは、選手ではなくて、JAPANスタッフ陣営だと思っているのは、私だけでしょうか?しかし選手が、信用出来ないコーチだと言って話す事も拒否されているようでは、チームとして成り立っていませんからね。
高橋がゲートの外側まで来て我々と打ち合わせをしなければいけないような環境を作るのは、やめましょうよ!!選手は、ぎりぎりまで勝ちたくて必死なのですから・・・・
今回の、結果成績を謙虚に受け止めて、世界で戦うためには・・・・・・・
今、何が、誰が、必要か?
全ての固定観念を捨てながら、深く考える必要があるのではないでしょうか。
オリンピックはアマチュアスポーツですが・・・・・・スタッフは、プロの軍団・・・・・・・
来年の札幌世界選手権でリベンジをかけるためにも・・・・・・・・・
ソルトレークで惨敗した葛西と再起を誓い、次の年・・・・・・・・
イタリア・バルディフィレメ世界選手権で・・・・・・・・
彼は、個人戦・団体戦と3個のメダルを取り
そして、その年のソルトレークで開催されたワールドカップで
オリンピックのリベンジとなる優勝。
これは選手とスタッフの距離が短く、なによりも、選手以上に
スタッフが情熱があるから出来た事なのです。
オリンピックに関するレポートは、今回が多分最後となります。
沢山の方々に見て頂きありがとうございました。
帰国後も宜しくお願いします