ジャンプスーツの件は、以前話したトラブルがありましたが、結局JAPANスタッフの頑張りで、伊東選手の新しい2着は、FISサイドでOK!しかし葛西選手は、1着だけ規定外と言う事で1着のみ使用となりました。昨日の大会で使用したブラックです。ところで、昨日の大会を少し振り返って見ましょうか? コンディションはまずまずではなかったでしょうか、当然外のスポーツですから、風の状況は、当たり外れがあるのは普通ですから・・・・・なんともいえませんが。葛西選手の1本目は、本人も言ってましたが、彼本来の力からすれば、失敗ジャンプでしたね!飛び出し角度が少し上に逃げてしまい、練習ラウンドでみせていた、100mオーバーまでの距離が出なかった。とても残念な結果となりました。1本目が終了した時点で、彼と話したが、表情は正直曇りがちな、顔をしていましたね。
「上に飛び出し過ぎました」
「条件も悪かったけど、諦めず2本目ドカーンと!!」
「・・・・・・・・・・・・・」
当然ノーマルヒルの1mがどれほど大切かは、彼が一番知っていることですから、1本目の失敗ジャンプは、命取りになる事が痛いほど理解していたのでしょう。
伊東選手の1本目100mは、条件がけしてよくなかったのですが、彼の持っているポティンシャルから考えると、立派なジャンプだと思います。本来彼は、ラージヒルを得意としているので、あの条件では立派だと思います。1本目が終了して、私を確認すると、笑顔で、
「あ~監督!!すぐ解りましたよ!いつ着いたんですか?」
「ぎりぎりに、着いたよ!調子よさそうだな!楽しんでいるか?」
「2本目も、ガッツンといこう!」
「ハ~イ!!」
多分、皆様も、テレビを見て感じている事でしょうが、オリンピックという大きなプレシャーがかかる大会と上手く融合しながら、試合を組み立てている感じがしませんか?
何よりも、参加している事に楽しんでいますよね!実は、これが一番大事な事だと思います。
当然、メダルを取りたい気持ちは、選手であれば誰もが願っている事ですが、大切な事は、自分自身が、いつもの力を出し切れるかどうかなんです。大きな大会になればなるほど、メンタルコントロールが大切なんですよね!
ノルウェーチームを率いる、ミカ・コヨンコスキーヘッドコーチは、2日前練習ラウンドであまり調子が良くなかった、チームに対して、「今日から絶好調になるテクニックとスピリットを選手に教える」と話していました。彼の恩師である、バーボ氏とシャトルバスで一緒になったので、聞いた話ですが、選手もミカを信頼しているので、大会当日は、練習ラウンドの結果など忘れて、最高の状態で試合に望めたのでしょうね! やはり、毎日寝食共にしている人が、そばにいてアドバイスしてあげることが、一番選手をリラックスさせて、最高の状態で試合に送り込み、試合中フォローしてあげれるのです。メンタル面に問題があれば、その選手が一番信用して寝食共にして苦労したスタッフがそばについて、フォローすべきなんです。ジャンプ競技は、メンタルスポーツとも言われています。 ここを、軽視すると結果が着いてきません。
さーあ!! 紀 明!!大 貴!!昨日の事は忘れて!!
最高の状態で、ラージヒル・チーム戦を楽しもうぜ!!