難しいコンディションでの試合でした。
スキーは、雪の上を滑る競技なので、基本的には、スキーの滑走面と雪の摩擦抵抗が少ない方が、有利と言われていますが、この時期は、雪が溶けて、水がアプローチに浮いてきているため、対策として、滑走面に、細かな傷を付けて、滑走面から水はじき、雪面に届く仕掛けを作るのです。その方が、水に滑走面が浮かなくなり、滑るからです。車を運転されている方は、ご理解出来ると思いますが、雨降りに高速道路で、速度を上げすぎるとタイヤが、水にういて走行操作が不能になる現象です。これをスキーに例えると、雪と滑走面の間に溶けた水が挟まり、スキーが浮いてスピードが出なくなるのです。
また、その傷の深さも、状況にあわせて、色々あり、標準は、7.5mm・1mm・2mm、当然、深く傷を入れると言うことは、それだけ雪が溶けて水が浮いている、最悪のコンディションなんです。因みに、今日は、最高の2mmで対応しましたので、まさに最悪のコンディション!!
ジャンプ競技では、アプローチスピードが1km違うと、およそ距離にして、約5m~10mと言われています。そこで、各チームには、専属のサービスマンがその日の気温、雪温、選手のスタート順など状況を考えて、数あるワックスの中から、一番雪と相性の合う、ワックスを選択するのです。今日のような気象条件では、選択の範囲が難しいので、彼らの経験とデーターがとても大きく結果を左右します。
クロスカントリーでは、上り坂や下り坂が有り、日向や日陰があるので、どこのポイントを優先させるか事前に打ち合わせを行ない、そのポイントに合うワックスをチョイスします。ジャンプ競技と違い、走っている時間も長いので、もしワックスで失敗したら、選手の疲労度は相当なものです。そうならないように、違う種類のワックスを塗ったテスト用のスキーを何台も用意して、スタート直前に、選手がテストして、その中から、ベストのスキーを選びスタートに向かいます。
昨日は風が安定せずに、フェアーな試合が出来ないと、FISが判断したためにジャンプ競技がキャンセンルとなり、本日に持ち越されました。
今日の試合は・・・・・・・・
9時から、本日の試合のジャンプ競技を1本を飛び、昨日のキャンセルになったジャンプ競技2本を消化したのですが、選手の集中力も大変でしたが、サービスマンの対応も凄かったです!あまりの忙しさに、ワックス塗りを手伝ったほどでしたから・・・・・・・・・
今日の試合結果は、前半ジャンプで5位の位置に付けていた、小林選手が、午後行われたクロスカントリーで残念ながら順位を落として、15位。
そして、本日の試合のジャンプ競技を終了した、15分後に行われた、昨日のキャンセルされたジャンプを2本行ないましたが、高橋選手が、前日のクロスカントリー24位から、ジャンプで巻き返し7位。
皆さん!!ご理解出来ましたでしょうか?今の説明で?2日間の競技進行状況?
選手のモチベーション管理も大変なぐらいですからね! 今日の進行は良く解りませんよね!
スタート前の、軽いアップから戻って来た、小林選手がこの笑顔!!
しかし・・・・・・べた雪で滑らないコースに疲れ果てゴール後・・・・・・・消えた!!
経験豊富な、高橋選手は、コーチと、今日の試合はタフな試合になる事を予想していたのか、緊張感全身から漂っていました。
選手の皆さん本当にお疲れ様でした。今シーズンのW杯これで終了です