「中華ウィーク」に料理店のことを想う。。。

ここ3回、麻布長江の料理を並べてきましたが、ちょうど同じ週に、別の中華料理店に行きましたので、その感想を。

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まずは前菜。非常にオーソドックスな、冷菜が並びます。
とても食べ慣れた味で、安心感が感じられます。

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冬瓜とふかひれのスープの後に、「海老チリ」と「海老マヨ」の2つの海老が出ました。「紅白」を表しているそうですが、両方こってりしていたので、一緒に行っていた父や母は、結構これだけでおなかにきてしまったようです。

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その後に「アワビのオイスターソース煮」と豚バラの煮込みが出たのですが、ここでちょっと疑問が。
確かにオーソドックスではあるけれど、このアワビが最もおいしいのはオイスターソース味なのだろうか?
結構大きなアワビだったので、もう少し何か工夫できないものかな?

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さらに「北京ダック」が出てきて、その疑問が本格的になりました。
サービスをしてくださっていた方と話をした時、

「北京ダックの身は、食べられないのですか?」
「うちではお出ししてません。本国では、身も食べるのですが、このお店では毎日ポリバケツいっぱいのアヒルの身を捨てています」
「えー、それはもったいないですよ。どうして食べないのですか?」
「以前、皮と一緒に出したことがあったのですが、日本の人はパリパリの食感を好むので評判が悪く、出すのをやめてしまいました」

そこで、このお店で食べていた違和感の正体が分かりました。

このお店は、ある時点で「止まって」しまったのです。

その食材が最もおいしく食べられるのは、どんなメニューか…という工夫がないのです。

今、このご時世であれば、あひるの身も食べたいと言う人は、たくさんいるでしょう。
流行りの海老マヨは入れてみたけれど、それを食べる人の負担を考えてのメニュー構成にはしていない。

そうそう、解説し忘れましたが、このコースは全て給仕の方がとりわけで配る形式になっていました。海老も大きいものが2つで違う味、チャーハンもたっぷり1人前ずつであんかけチなので分けることも持ち帰ることもできない。。。

うちのように食べざかりの息子から70代の父までが、同じ料理、同じ分量で食べざるをえないのです。

お店の人にお客様が見えていない…のですね。

デザートもそうでした。

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「マンゴープリン」に「杏仁豆腐」。

「その2種類のデザートが流行っているので、こじゃれた器に入れてみました」

というおざなりなお味。見た目が美しいだけに、ちょっとがっかりです。

中華料理とえばココというくらい有名で高級なお店なのですが、周りの動向やお客様のニーズに合わせられないのは、これから先大変なのではないか。。。なんて、いらぬ心配をしながら帰ってきました。

四川と広東ですから、料理自体は違いますが、料理人は、日々工夫が必要なのだと思った「中華ウィーク」でした。
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