
アメリカンフットボールと出会ったのは、高校一年生のとき。もともとボールを投げることが大好きだった僕は、グラウンドで楕円形のボールがクルクル回転しながら飛んでいくのを見て、単純に自分もあのボールを投げたいと思いました。入学してすぐにアメフト部に入り、「ボールを投げたいのでクォーターバックをやりたい」と監督に伝えました。
このように、アメフトを始めた理由はごく単純でした。その後、先輩にいろいろと教わっていくと、すぐにこの競技の面白さに気づき、それまで味わったことがないほどのやる気がドンドン沸いてくるのが自分の中で分かりました。
フットボールに対してまず最初に魅力を感じた部分は、能力差を覆せる可能性が高いということです。スピードやパワーなどの体力に劣っていても、万全の準備と工夫をもってゲームに臨めば、強い相手を倒せるという大きな醍醐味が、フットボールにはあります。他のスポーツにも同じことが言えるかもしれませんが、アメフトは特にこの要素が大きいと思います。
その高校時代、3年生になるまでは、先輩たちが勝っている姿をほとんど見ることはできませんでした。公立校だったため、運動能力に長けた私立校には特に歯が立たず、悔しい思いをしていました。「何とかして勝ってみたい」同期のチームメイトたちと日々考え、知恵を持ち寄って、勝つ方法を探りました。そして高校最後の年、幕が開くと、信じられないほどの力が、自分たちのチームについていました。不思議なほどに負けないチームが出来上がっていたのです。倒すことのできなかった私立強豪を相手に32対0の完封勝ちをしたときのことは、特に忘れられません。勝つことに慣れていなかった僕たちは、その快感に驚き、成果が出ることの喜びを存分に感じました。いまでも、なにかに迷ったときには、そのことを思い出して、自分を励ましてみたりします。
僕は身長も低めで、スピードがある方でもないので、大きくて強い相手を如何にして仕留めるかということに興味があります。高校・大学時代にそれぞれアメリカのチームと対戦したことがありますが、「でかくて速いなあ」という羨ましさを感じました。
日本のフットボールの実力を証明するためにも、ぜひサムライウォリアーズに参加し、大きな相手をやっつけたいと思います。