UTSU-WA? Vol.4 陶芸家・増渕篤宥さんのこと

ライフワークとして主催している UTSU-WA? Vol.4 うつわと食と月の会 @葉山のとある邸宅
に参加してくださった陶芸家の増渕篤宥(ますぶちとくひろ)さんは、宮﨑で作陶されています。

緑と黄色の、どこかエキゾチックなうつわたちは、この日、宮﨑からはるばる(私の家経由!)葉山に届いたというわけ。写真にある陶器のコンポート(高杯)やピッチャー、花瓶も増渕さんのもの。

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増渕篤宥さんは、陶芸の里である茨城県・笠間市のご出身。笠間にある窯元、向山窯はご実家ですが、高校卒業後は、デザイン学校で学び、その後は家には戻らず、各地の窯元で働き13年。名前をだして活動する個人作家ではなく、職人として来る日も来る日も、ろくろを引き続けたその陶芸の技術は高く、1インチ刻みで大きさの異なる皿をひくことができるほど! その後作家として独立し、いまは、向山窯櫻越工房として宮﨑で活動していますが、とにかくそのお仕事は素晴らしいわけなのです。作品はこんなかんじ。

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また、細かい彫りの正確さ、美しさも増渕さんの真骨頂。お皿の縁の柄もピッチャーの模様はすべて、手作業でひとつひとつ彫られたものなんです。彫ったあとに釉薬をかける“釉象嵌(ゆうぞうがん)”という技法を用いてつくる緑と黄色のシリーズ。中世の食卓をイメージした今回のUTSU-WA?では、このシリーズを中心に作っていただきました!その美しいこと、お料理との愛称のよいことったら!

前菜:メジ鮪と根セロリのパイ ピスタチオとレモンアイオリソース
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デザート:クルミのジェノワーズ、林檎とぶどうのコンポート、ムースアングレーズ
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とくに黄色の釉薬の作品は、サラダやデザートには最高にあうし、一見派手にみえて、ざっくりとしたいわゆる焼物にも、磁器のプレートなど他のうつわにもしっくりくる意外な使いやすさを持っています。黄色が好きで購入したけれど、シチュエーションを選ぶかなと、最初は、私も思っていたのですが、拍子抜けするくらい何にでもあって、食卓がぱっと明るくなるのです。

(UTSU-WA? 写真撮影:米谷享)

うちでは、こんな風に冬のデコレーションにタンブラー(奥)をつかってみました。いい黄色(すこしくすんだマスタード色ともいうかも)です。
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そんな増渕篤宥さんの展覧会が、12月15日から東京でひらかれます。
今回は耐熱のうつわが中心だそうです。
ぜひお越し下さいね。

増渕篤宥 耐熱のうつわ展@うつわ楓
http://utsuwa-kaede.com/exhibition.html
by tsena | 2012-12-12 16:21 | UTSU-WA? | Comments(0)