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カレーと音楽を中心に「食」の新しい楽しみ方を提案し続けている料理ユニットのブログ。
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2009年 07月 24日 ( 1 )
富士山をめぐる冒険 終章
2009年 07月 24日
『ニッポンカレー大全』をニッポン全国のカレー店に献本させていただいた。
嬉しいことにその反響が早くもちらほらと聞こえてきている。
つい先日は、吉祥寺「まめ蔵」の店主から感想メールをいただいた。
カレー以上に読書が好きだという店主とは面識がないのだけれど、
そこには、「文章が軽妙洒脱だ」とこっぱずかしくなるようなコメントがあって、
わかりやすくボクは浮かれてしまった。
だから、というわけではないのだけれど、
このところ、ボクは常に『ニッポンカレー大全』を2冊以上カバンにしのばせて、
外を出歩くようにしている。
いつなんどき、誰に読んでもらいたくなるかわからない。
そんな気分になったときにはパッと取り出して、
差し上げられるよう準備しているのだ。

「インド富士」というお店が東小金井にあることを知ったのは、最近のことだ。
水道橋のカフェ(?)においてあったらしいその店のチラシには、
今のボクが探し続けているお宝情報が記されていた。
「バリの屋台、南インドのカレー屋を経て、2008年にOPENした……」。
直感的にその店は日本人シェフがやっているんだろうと思った。
「インド富士」という奇妙な名前もボクにそう思わせたのかもしれない。
実は、近々、日本人のインド料理シェフを題材にした
小さな冊子を発行しようと思っている。
わずかかもしれないが日本全国にいるであろうシェフたちをめぐり、
彼らの声に耳を傾け、不定期にでも文章をしたためていきたい。
別に誰かに頼まれたわけではなくて、
やりたいから自分で勝手にやると決めたことである。
が、いざ、形にしようとすると、何をどうしていいのやら
自分のアイデアの乏しさにほとほと困り果ててしまっている。

とにかく、東小金井にある“富士山”に向かった。
店の扉を開け、カウンターキッチンで軽快に中華鍋をふるシェフが
日本人であることを確認すると、「よし!」と小さくガッツポーズ。
彼がつかっているのが、中華鍋だということもガッツポーズの要因のひとつだった。
かねてからボクはインド料理には中華鍋がいいと思っていたからだ。
そそくさと席について注文をする。
独りでカレー店に行くときには、たいてい、
左手に文庫本を開きつつ右手で食べるというのが習慣化してしまっている。
行儀が悪い食べ方だと思いつつもこれがしっくりくるから仕方ない。
その本は伊坂幸太郎の短編で、ミュージックの好きな死神が主人公の話だった。
文章は軽妙洒脱だなんてレベルじゃない。
こんなにうまく書ければ、ボクのやろうとしている冊子だって
なんの悩みもいらないはずなんだけどなぁ。
本のストーリーと並行してそんなことを考えつつ、
合間に追加注文をはさみながら食べ進めたら、
気づけば2人前ほどの量を食べていた。

お会計のときに最大限の賛辞をこめて「ごちそうさまでした」を伝えると、
「うちの店に有名人がきてくれるのは初めてなんで緊張しました」
と思いがけない返事。
まさかのカウンターパンチ。そうくるとは……。
本を読みながらも厨房で鍋をふるシェフをちらちら覗き見してるわけだから、
予想以上にボクは目立ってしまっていたのかもしれない。
油断してたせいか、逆にこっちのほうが緊張してしまって、
しどろもどろになりながら、すがるように
カバンにしのばせた『ニッポンカレー大全』に手をのばす。
「よかったらこれ、読んでください」。
自己紹介もしないまま、やぶからぼうに手渡してしまった。
冷や汗が出る。
しばらくして平常心を取り戻し、あれこれと談笑を始めると、
なんと、シェフの小城さんは、その昔、「まめ蔵」で働いていたと言うではないか!

「まめ蔵」店主からのメールには、実は、続きがあった。
「軽妙洒脱」とした後に、
「欲を言えば、『大全』というならこの倍くらいの量がほしかった、
でも水野さんの文章がすいすい読ませてしまうから
そんな風に感じたのかもしれませんね」
と優しいことこの上ないエクスキューズがついたコメントが書かれていたのだ。
誠に的を射たご指摘。
実は、『ニッポンカレー大全』について、ボクが最も心残りだったのは、タイトルである。
できれば「大全」は避けたかった。
「大全」なんて言葉は、本当に大きく全てにおいて完備されている場合にこそ
使うべきもんであって、
カレーについてそれをボクが書くとしたら20年とか30年とか後のことだろうと
心の片隅で思っていたからだ。
「全力投球した本だから内容は恥ずかしくないけれど、
少なくともボリュームに関しては心残りなんですよ、
耳が痛いお言葉をもらっちゃって(笑)」
と話すと、元「まめ蔵」の小城さんも苦笑い。
その後は、これから作ろうとしている冊子のことを熱く語って、
ちょっとだけヒントももらって店を出た。

そぼ降る雨の中、適度に酔いがまわったボクは、傘もささずにゆらゆらと歩く。
駅で反対方向のホームにあがってしまい、
乗りなおした新宿方面で乗り換えの吉祥寺駅にようよう降りたち、
井の頭線に乗って下北沢で降りようと思ったら、寝過して代々木上原へ……。
顔でも洗おうとふらりトイレに入ると、
洗面器の脇になぜか“富士山”のイラストがついた張り紙が。
「トイレはきれいに使いましょう」と書かれた文字を目で追いながら、
そういえば、東小金井の“富士山”は、ミュージックが素敵だったなぁ、
小城さんにそのことを伝え忘れてたな、と振り返る。
あのBGMならもし伊坂の死神が来たとしても十分満足してカレーに舌鼓を打ちそうだ。

代々木上原駅の改札を出るとすぐ右の道路沿いに小さな書店がある。
ボクはこの書店が結構好きで、駅に降り立ったら必ず寄ることにしている。
レジのすぐ横に後から建てつけたようなボックス型の小さな本棚があって、
そこのランナップを見るのがお決まりのコースだ。
おそらく新刊を中心に揃えているのだと思うんだけど、
ボクはなぜか昔からその本棚は店主がお気に入り本を紹介しているコーナーだ
と勝手に思い込んでいる。
レジ脇という場所に大事なものを小脇に抱えているような印象を持つから
なんとなく、そう感じているのかもしれない。
ぼーっと眺めてみる。
すると、『ニッポンカレー大全』が2冊並んでいるのを発見。
やった! ありがとう!
ボックス本棚の真相がわからないというのに一方的に感謝する。
たまらなく嬉しくなったボクは、そのうちの1冊を購入し、
次に出会うどこかの誰かのためにカバンの中にしまいこむことにした。

帰宅してPCのメールをチェックすると、
週末の出版記念パーティについて、友達の編集者から返事が来ていた。
「明日明後日と富士山に登りに行くので富士山帰りでうかがいます〜」。
マ、マジかよ!?
こうして、本日、ボクの「富士山をめぐる冒険」は幕を閉じたのである。

ちなみに、これから作ろうと思っている冊子のタイトルは、
「インド料理をめぐる冒険」にしようと思っている。

富士山をめぐる冒険 終章_c0033210_0165594.jpg

by tokyocurry | 2009-07-24 00:16 | *水野仁輔の「プラスカレー」 | Comments(4)




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