息子を旅立たせた母の心境

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ちょうど2週間・・・

異国の地での孤軍奮闘が始まった息子。

一人でアメリカで頑張り始めてちょうど2週間が経ちました。

「いずれ、海外へ」と漠然と考えていた息子の進路が、

明確に、そして急展開を見せたのは、わずか10ヶ月前のことでした。

そう、一年前の今ごろは、まだ「いずれ」だったのに、

今、もう、息子は、家族とも離れ、友達とも離れ、文化も習慣も違う国で、

たった一人、頑張っています。
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私にとっても、「いずれ」という思いと、「いずれ行くならできるだけ早い方がいい」という思いの中で、その頃合いはいつなのか悩んでいました。

その期間も、一年なのか、二年なのか、大学はどうするのかなど、「絶対これ」という唯一の答えなどないことは承知の上、ただ、決めるとすれば、息子自身が「行きたい」と思った時が、ベストのタイミングだろうとは考えていました。それも漠然と・・・。

「来年からアメリカの高校に行く」

息子の決意と共に始まった準備。
「無我夢中」とはまさにこのことを言うのだろうという10か月を経て、

先月末から、息子はアメリカで過ごしています。

参加したサマースクールがとても厳しくて、

スマホもパソコンも本部に預けなくてはならず、

6週間、連絡方法は国際電話か手紙という、

今どきにしては珍しいアナログの生活。
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サイトなどで様子を見ることもできず、

大事な大事な一人息子だというのに!

私が帰国して、9日目にやっと声を聞くことが出来ました。

「便りのないのは良い便り」と思っても、心から、そんなふうには思えません。

言葉もまだ不自由なのに、しかも日本人が一人で大丈夫なのか、

衣類は足りているのか(寒さや暑さに対応できているか)、風邪は引いていないか、食事は、飲物は・・・

ムシに刺されて腫れたりしていないか、鼻血はでていないか・・・などなど、

もうきりがないほど心配しました。

でも、9日ぶりに聞いた声は、とても元気そうで、「何か苦しいことはない?」
と聞いたら、「コミュニケーションがまだね・・」といいつつ、

「でも楽しいよ。アクティビティも楽しいし、みんな優しいし」

「頑張れそう?」

「うん、頑張れそう。あ、日本食と日本のお菓子がなくなりそうだから、送って。あとお箸も。それと、Beethovenとドゥビッシーと、ショパンと・・・」と必要なものをあれこれ私に「指示」し、

元気な声で電話を切りました。

緊張でこわばった顔で私と別れて、

日本への連絡も不自由で、英語も十分に話せなくて、

ツライ思いをしているだろうな・・と思っていましたが、

(もちろん、ツライことはいっぱいあると思いますが)

子供の順応力には驚くばかりです。

あのまま日本にいても、それなりの進路を歩んだろうと、今でも思います。

一方、一人息子で、目が行き届いてしまうことにも不安があり、

この先、この子に必要なことは、私と離れること、自分の力で乗り越えていくこと

と思いながら子育てをしていたことも事実です。

「一人っ子なのに、よく手放した」と言われますが、

「一人っ子だからこそ」母子分離は早い方がいいと、私は思っています。
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ただ、誰でも、どの家庭でも同じようにすればよいかといえば、そうも思いません。

わずか14歳で、最愛の息子と離れる決意が出来たのは、
・息子自身が決意したこと
・当然、この先の目標は変わるかもしれないけれど、少なくとも今の時点での息子の将来の目標を考えると、なかなか日本では十分な環境がなく、海外へ行った方がよい、それならできるだけ早い方がいい

というのが、理由であったと思っています。

何より、本人が自分の将来の、自分の人生のために決意しないことには

どれだけ周囲が無理強いしても、どうにもならないと、私は思うのです。

親ができることは、自分自身の将来像を描ける子供に育てる事であろうと思います。

もちろん、それは母親一人ではできません。私も色々な人の力を借りて、

母親ではできないこと、気づかないことを、たくさん息子に与えていただきました。

黙っていても子供は育つかもしれませんが、

意識をすれば、意識をした分も育つ、と私は思っています。


さて、息子を送って帰国した翌日から、

私も新しい職務が始まりました。
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三井住友建設株式会社の社外取締役に選任いただき、

最年少、紅一点の取締役として、非常にやりがいのある職務を与えていただいています。

これまでの仕事ももちろん続けますので、

二足?三足?四足?・・・の草鞋、

息子にとっても、私にとっても、新しいスタートとなりました。

もちろん、夫にとってもですね。

「老」?夫婦の生活が、こんなに早くにくるとは思わなかったのですが、

結婚20周年の節目も何とか通過できたので、

息子も夫も私も、それぞれが、自分の人生を満喫できるよう、
お互いの力を借りながら、がんばっていきたいと思っています。
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細川珠生 ブログ


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