
ブログ始めてまだ2日目だっちゅーのにアレですが、プチ失恋であります。
シーズンに一度の恒例行事ではありますが、これでも人並みに落ち込んだりする訳でして。プチといえどもあなどるなかれ。暇なときなら10日や20日はみっちり部屋に引きこもり、写経したり千羽鶴折ったりマッチ箱でお城作ったりして思う存分鬱にひたるのですが、零細とはいえ仕事のある身としてはそうも行かず。
こういうとき、私は映画を見ます。
その人にとって「死ぬほどいい映画」というのが誰の人生にも存在すると思うのですが、私にもとっておきがいくつかあります。スタッフロールを見終わって映画館を出るとき、比喩でもなんでもなく世界が違って見える、そういう1本。しかしあまり多用しすぎると効果が薄れるので、よほどのピンチのときしか使えません。今回私が「出てこいウィンダム!」と言って投げたウルトラカプセルは、『あの子を探して』でした。
中国のど田舎の村の小学校へ代用教員としてやってきた少女(ミンジ)が、街へ出稼ぎに行ってしまった生徒(ホエクー)を探しに行く・・・と書くといかにもいい話ですが、この映画の主人公に感情移入するのは生半可なことではありません。とにかく、頭悪すぎ。頑固すぎ。金に汚すぎ。上映時間の半分くらいはひたすら金の計算、子供らしい可愛さなど微塵もなく、内面外面ともにどーしようもないブス。中国人ってどーしてこう・・・と差別発言が喉まで出かかったり。なのにああどうしたことか、この映画を見るたびに、ラスト20分間、私の涙腺はどうかしてしまいます。シャツも濡れるだだ漏れ。恋人も濡れる街角。
面白い映画には、監督や脚本家や俳優たちの力量だけでは説明できない、魔法のような力が備わっているものです。よく「映画が元気をくれた」などと言う人がおりますが、私に言わせればほんとにいい映画は酸のように肌を融かします。見終わった後、肌に触れる空気が滲みます。その痛さで、自分が今ここにこうして生きていることを確認するのです。失恋の傷のことなどもう構ってはいられません。何たって、体中がウィニー皮なし状態なのですから。私、思いっ切り語ってますね。いえ、恥ずかしくないです。語るのは失恋したものの特権なのです。
つーわけで、全身硫酸まみれの私。こうして今日も生きていきます。
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