チャールズ王子と離婚した後のダイアナは
イギリス王室にとって、まさに目の上のタンコブ。
新しい恋人とともに華やかな姿でマスコミに登場する元・息子の嫁を
エリザベス女王は冷ややかな目で眺めていた。
そんなさ中、当のダイアナが事故死。
国中がダイアナ追悼ブームで盛り上がる中
彼女の死を無視しようとするエリザベス。
王室へのバッシングが高まる中
国民と女王との板ばさみになって苦労するのは
当時首相になったばかりの若きトニー・ブレア。
親子ほど年の離れた女王と首相の間のビミョーな関係を
名匠スティーブン・フリアーズが見事な手際で描き出す。
この役でオスカーを獲った主演の
ヘレン・ミレン。
イギリスではジュディ・デンチとためを張るくらいの大女優らしいですが
日本では名前言われても顔が浮かばない人が多いのではないかと。
かくいう私自身、きちんと思い出せるのは
『モスキート・コースト』のハリソン・フォード奥さん役くらい。
でもこの顔、よく知ってる気がするんだよなぁ・・・と思っていたんですが
フィルモグラフィー見て納得。
『第一容疑者』のおばはん
じゃないですか。
『第一容疑者』はBBC制作の人気シリーズで
ヘレン・ミレンは主役の女刑事(もっと偉かったかも)を演じています。
このドラマ、私はちゃんとは見ていないのですが
母親が好きだったので、10分くらいだけチラ見したことがあります。
1日の仕事が終わった後
おばはん刑事が部下の若い黒人を誘うシーンでした。
具体的なセリフは覚えていないのですが
ヘレン・ミレンの言い方がとにかくえげつなかった。
「私とイッパツやりなさい」
的な、欲望丸出し&パワハラ風味のアプローチなのです。
筋張った首して、煙草バカスカ喫う
性格最悪のおばあちゃんが
若い黒人のピチピチした肉体をあけすけに求めるという
ギラギラしすぎの構図。
このシーンだけで私はすっかりゲンナリしてしまい
黙ってテレビの前を立ち、自分の部屋に戻ったのを覚えています。
ま、母親に言わせると
そこらへんのギラギラ加減がこのドラマの味らしいんですが。
こういうヘレン・ミレンの
外見はめちゃめちゃ堅そうなんだけど
いったん薄皮を剥くと
どろどろしたものがとめどなく溢れてきそうな感じは
本作『クイーン』でもしっかり堪能することができます。
ブレアとエリザベス女王が一緒にいるシーンを見てると
なんか妙に、エロチックな気分になってくるんですな。
「巨乳義母・爛れた放課後」
みたいなサブタイトルが脳裏に浮かんで浮かんじゃって。
私同様マザコンのケがある男子は
きっともれなくヘレン女王にやられちゃうと思います。
この映画、テーマだけ聞くと
スキャンダラスな内容なのかと思っちゃいますが
実際はかなり地味で登場人物も少なく
よく練られた舞台劇を見てるような感じ。
10年に1本の変態映画のマスターピース
『パヒューム』を別格としますと
今年見た中では一番面白かったかなぁ。
ひときわ強くオススメです!
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