
ちょっと都心に出る用があったので
ついでに渋谷円山町(ラブホ街)に去年できた
シネマヴェーラ渋谷に初めて行ってみました。
渋谷には中学生の頃からもう20年以上映画を見に通っていますが
いまだにこの街で落ち着く場所が見つけられず
いつも劇場から出ると駅へ直行、帰路につくのがルーティーン。
そういう意味では、渋谷に名画座ができたというのは
私にとってちょっとした事件であります。
入ってみると、きったないおじいさんとか、学生服姿の高校生なんかがいて
いわゆる渋谷のミニシアターの客層とは一線を画しています。
BUNKAMURAに群がるエセインテリおばちゃんたちの姿も一切なく
場内での飲食も可と、なかなか居心地の良い空間でした。
さて、ここシネマヴェーラでは今月ずっと
妄執、異形の人々
という特集をやってました。
『恐怖奇形人間』とか『マタンゴ』とか『吸血鬼ゴケミドロ』といった
アッチ系の作品ばかり25本を日替わり上映。
私ももっと早く行きたかったんですが、スケジュールが合わず
終了1日前にしてやっと念願叶ったという訳です。
今日上映していたのは『怪談 蚊喰鳥』(1961)と『盲獣』(1969)。
『怪談 蚊喰鳥(かくいどり・コウモリの異称)』も
中田康子の艶っぽい悪女っぷりが心にしみる、大変面白い映画だったのですが
今日はめちゃめちゃ衝撃だった『盲獣』について書きたいと思います。
原作はもちろん江戸川乱歩。
石井輝男の遺作『盲獣vs一寸法師』も記憶に新しいところですが
この映画を監督したのは
モダニズムの巨匠・増村保造。
お恥ずかしい話ですが、私、今回が増村保造初体験です。
ファッションモデルのアキ(緑魔子)は、彼女を崇拝する盲目の男・道夫(船越英二)に誘拐され、女体をかたどった異様な彫刻のあるアトリエに監禁される。彼女の体をモデルに彫刻を作ろうとする道夫。やがて道夫の母親を巻き込んだ奇妙な三角関係に発展し、アキを殺害しようとした母親は、逆に道夫に殺される。残った2人は外界から隔絶された空間でサドマゾ異常性欲の世界へ没入してゆく・・・
とゆー、まぁ
これ以上ないってほど濃い映画でやんした。
まず凄いのが、アキが監禁されるアトリエのセット。
壁っていう壁から、目、耳、鼻、口、手、足、乳房といった
人体のパーツが飛び出していて
フロアの中央には
巨大な女体のオブジェが横たわっています。
確かアルモドバルの『バッド・エデュケーション』で
男が巨大なハリボテのヴァギナに入っていくシーンがありましたが、あんな感じ。
主人公2人が追いかけっこしたり、乳繰り合ったりするのも
全部この女体の上な訳です。
子供の頭くらいある乳首をつかみながら
「ぼ、僕の芸術をバカにするなー!」と叫ぶ船越英二に爆笑。
後半、特に理由もなく、アキまでもが視力を失っていき
暗闇の中、触覚だけを頼りにまさぐりあう二人。
これがもの凄くいいらしい。
私は「目隠しプレイ」ってのは未体験ですが
この映画見て、ちょっと試してみたくなりました・・・
全編ほとんど密室劇と言ってよく、登場人物も3人だけなのですが
終止もの凄い迫力に押されっぱなしで、退屈する暇なんか一切ありません。
増村保造、初体験で
超ハマりました!
・・・とゆーことで、来月、新文芸座でやる
日本映画検証7 大映映画の鬼才・増村保造
って特集上映に行ってみたいのですが
全28作、どれを見たらいいのかずぶの素人の私には全然わかりません・・・
どなたか詳しい方、オススメの作品とかあったら教えていただけませんか。
とりあえず『でんきくらげ』『しびれくらげ』の2本だては
タイトルが素敵なので行こうと思ってます。
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