私と同年代の人にとって
リアルタイムのカンフースターっていうと
ほぼ間違いなくジャッキー・チェンなのですが
(ブルース・リーはちょっと上の世代)
私、苦手だったんです・・・
あの鼻の赤いジジィが。
そう、例の酔拳のお師匠さんです。
ルックス、物腰、漠然と不潔な感じ
どこをとっても何か癪に触るんです。
子供ながらに思ってました。
俺の美学が許さねぇ、と。
で、リー・リンチェイ登場です。
『少林寺』を吉祥寺の映画館へ見に行ったときの
忘れもしないあの衝撃。
中国全国武術大会で5回連続総合優勝の看板は伊達じゃありませんでした。
とにかくの動きの速いこと美しいこと。
次から次へと見たことのない武器が出てきて
田舎の中学生にはほとんどSFの世界。
映画館を出た後、衝撃の余り
しばらく口がきけなかったのを覚えています。
しかしその後の私は
当時大流行だったタルコフスキーだのビクトル・エリセだのにかぶれて
カンフー映画なんて
馬鹿が見るもんでしょ?
などとほざく、すっかりスノッブな映画少年になってしまいました。
その間にリー・リンチェイはジェット・リーと名を変え
『ワンチャイ』シリーズで大ブレイクしていたわけですが
そんなことは全然知りませんでした。
ずいぶん後になって『天地大乱』を見て
そのあまりの面白さに鼻血3リットル。
カンフー映画の進化をリアルタイムで見てこなかったことを
痛く後悔したのでした。
で、本作『SPIRIT』は
実在した武闘家、霍元甲(フォ・ユァンジア)の伝記という体。
ま、かなり作ってますが。
腕は立つけどジコチューだった主人公が、ある苦い経験から自分を見直し
最後は中華民族のために立ち上がる、というストーリーなんですけれども
前半のジェット・リーのダメ人間ぶりがめちゃめちゃ堂に入ってて
思わず殴ってやりたくなります。
物語自体は大変に地味で
『まんが日本むかしばなし』なみの木訥さ。
そこにハリウッドでさらに洗練された
ユエン・ウーピンのアクションが絡んでくるのが
ミスマッチと言えばミスマッチ。
早回しとワイヤーアクションを使用しているとはいえ
ジェット・リーの流麗な動きは健在。
中村獅童くんはかなりおいしい役なので
取り立てて誉めるほどのこたぁありません。
ま、そこそこ面白かったんですけれども
この映画を見た人なら全員気付く欠点が・・・。
エンディングテーマ、ありゃ何ですか。
これ、日本版だけでしょうね、もちろん。
あまりのダサさにタイトルロールの途中で席を立ちたくなりました。
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