厚紙で作られたリアルな風景写真に感じたもの@トーマス・デマンド展
2012年 05月 19日
Thomas Demand(トーマス・デマンド)展の内覧会に行って来たよ。
東京都現代美術館。
ドイツの現代美術作家。
その作品は、2つの行程を経て出来上がる。
1)政治的・社会的な事件が起きた現場の風景を写真を元に厚紙で精巧に再現。
2)それを撮影する。
だから観られるのは、完成した写真作品のみ。
作られた厚紙たちは、撮影が終わると取り壊しちゃうんだって。
もったいない気もするけど
でも彼にとってそれは行程であって作品ではないからだよね。
平面にプリントされた大きな作品たち。
それは、アメリカ大統領の執務室だったり
まだお湯の入ったままのバスタブだったり
鍾乳洞がたくさんある洞窟だったり。
新作のひとつとして福島第一原発の制御室もあった。
(地震によって天井が剥がれた様子もそのまま再現)
どれも一見、まるで本物を撮影したかのように見えるけれど
すぐに「あれっなにかおかしい」と感じる。
カーテンも金属も絨毯も全てが同じ質感(厚紙)で表現され
そしてそれぞれのモノのもつ歳月を経た感じが全くない。
私には限りない虚無感が広がって見えた。
感情がなくて
存在もなくて。
人がいるはずの場所に誰もいない。
いるはずの人がそこにいない。
静かに自分にいろいろと問いかけたくなる作品たち。
7/8(日)まで。
ぜひ。
東京都現代美術館。
ドイツの現代美術作家。
その作品は、2つの行程を経て出来上がる。
1)政治的・社会的な事件が起きた現場の風景を写真を元に厚紙で精巧に再現。
2)それを撮影する。
だから観られるのは、完成した写真作品のみ。
作られた厚紙たちは、撮影が終わると取り壊しちゃうんだって。
もったいない気もするけど
でも彼にとってそれは行程であって作品ではないからだよね。
平面にプリントされた大きな作品たち。
それは、アメリカ大統領の執務室だったり
まだお湯の入ったままのバスタブだったり
鍾乳洞がたくさんある洞窟だったり。
新作のひとつとして福島第一原発の制御室もあった。
(地震によって天井が剥がれた様子もそのまま再現)
どれも一見、まるで本物を撮影したかのように見えるけれど
すぐに「あれっなにかおかしい」と感じる。
カーテンも金属も絨毯も全てが同じ質感(厚紙)で表現され
そしてそれぞれのモノのもつ歳月を経た感じが全くない。
私には限りない虚無感が広がって見えた。
感情がなくて
存在もなくて。
人がいるはずの場所に誰もいない。
いるはずの人がそこにいない。
静かに自分にいろいろと問いかけたくなる作品たち。
7/8(日)まで。
ぜひ。