かわいい文庫で今日発売「なくしたものたちの国」角田光代×松尾たいこ@集英社文庫

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2010年9月にホーム社から刊行された「なくしたものたちの国」

本日(8/21)、文庫になって発売。

なくしたものたちの国(集英社文庫)
小説:角田光代
絵:松尾たいこ
カバーデザイン:ミルキィ・イソベ(ステュディオ・パラボリカ)

内容(アマゾンより)↓
松尾たいこの色鮮やかなイラストから、角田光代が5編の小説を創作。
なくした恋も、友だちも、思い出も、いつかまたきっと会える──。
なつかしく大切な一瞬を詰め込んだ、宝石箱のような一冊。

この本のスタートはすこし変わっている。

まず私が頭の中に浮かんだ
「子供の頃に感じた孤独」
「自分の居場所を見つけた安心感」
「夜コワイと思ったもの」
「死ぬってどういう事なんだろう」
「生きる事とか未来とか」
そんなことを子供の時の気持ちに戻って
思い出しながら絵を描いていった。

そして、出来上がったイラストのカラーコピーをファイルにして角田さんに渡したの。

角田さんの、あとがきから↓
想像していたとおりだった。
いつもながらの松尾さんの絵、
でも、わたしがみじんも知らない世界が切り取られていた。
寒くてあたたかくて、
冷静でやさしくて、
ひりつくほど孤独で、
眠たくなるほど満たされている。
その、相反するすべてが、輪のようにつながっていることを、
わたしは松尾さんの絵に知らされた。
それはつまり、なくすことと得ること、
生きることと死ぬこと、という相反でもあった。


私は絵をなんにも説明しないまま角田さんに渡して
しばらくして5つのお話が届いた。

最初のお話「晴れた日のデートと、ゆきちゃんのこと」を読んだら
いっぱい涙が出た。

5つのお話を夢中で読んだ。

不思議な体験も山羊とお話ししたこともないけれど
でもどれも私のことだし、私にとても必要なお話だった。

なくしてもみつかるものや
弱い心のためにはなくしていいものや
なくしても残っていくものや、そういうもので人生って出来てる。

本当に、大好きな作品。

私が描いたのはイラスト30点。
それぞれの物語の最初に5~7点ほどのイラストが挿入されているの。

まずは何も考えず、イラストだけを眺めてみて。
そうして角田さんのお話の中に入っていって。
イラストを見て想像したお話とは違うかもしれないけれど
「ああそうだったんだ」とスウッと心に入っていくお話ばかりだから。

そうして、読んで下さった方にも「必要な本」になれたらうれしいな。
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