とても重いけどすばらしい:ベトナム人アーティスト、ディン・Q・レ展 明日への記憶@森美術館
2015年 09月 15日
10歳のときに、ポルポト派から逃れるために、家族とともに渡米したディン・Q・レ。
ベトナム人である彼自身や周りの人々の実体験&記憶を作品にしています。
ディン・Q・レ展 明日への記憶
会場は撮影OK。
でもあまりに重いテーマなので
写真を撮る気持ちにならないコーナーも。
(あっ、残虐とかではなくて気持ち的にです)
これは従軍画家が描いた作品たち。
映像作品では、
ベトナム戦争をテーマにした「地獄の黙示録」と「プラトーン」の中の
出演者、マーティン・シーンとチャーリー・シーン。
彼らの出ている同じようなシーンを並べた作品が印象的でした。
彼らは、実の親子。
それが映画の中ではあるけれど
父親が体験したベトナム戦争を息子が追体験することが
すごくリアリティを感じて、こんなことで父親の気持ちや記憶を理解することが
もし本当にあったらとても嫌なことだ・・・と感じました。
それからたくさんの写真が裏返されて並べてある会場。
そこから一枚選んで、テーブルの上の箱に入れます。
私が手に取った写真、ドキドキしながらめくってみると
若いカップルが海辺で寄り添う写真。
この人たち、どうなったのかな・・・。
私がこの写真を選んだのは偶然で無作為だったけれど
こんな風に、無作為に命を奪われた人たちがいることを考えさせられました。
この日は、約束の時間までに一時間ほどあったので
展示会に行ったのですが、
どの作品も見応えがありすぎて後半の半分ぐらいは
あまり観れませんでした。
なのでまたゆっくり訪れたいと思います。
とても重いテーマだけれど
本当に行ってよかったです。
ひとりで行くのもいいし
大切な人と一緒に行くのもいいなあと思います。