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スーパーマーケットで見た Akko
ドイツの夏は、時々ではありますが気温が33度くらいになることがあります。うちにはエアコンがないので、そんな時には大きなスーパーマーケットに行ってゆっくり買い物をします。
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いまは、たいていのスーパーマーケットに置いてあるキッコーマンの醤油。鮮魚売り場の一角に、この特別な陳列棚があって、そこで私の書体 Akko が使われていました。
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「ドイツで最も好まれている醤油」と書いてあります。下の方には大文字で「すべてにもっとキック(KIKK)を」とあります。KIKKOMAN だからか。
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# by type_director | 2024-07-28 09:29 | 小林章の欧文書体 | Comments(0)
Othmar Motter のデザイン

先月、台北の重本書店に行ったとき、けっこう私の知らないタイプデザイン関係の本も揃えてあるので「よくこんなに集めましたね」と葉さんに言ったら、あまり売り上げにはつながらないということを言ってましたが、それでも嬉しそうでした。

そこで私が見つけた中でも、これはぜったいにドイツに戻ったら買うぞ、という本がありました。Zapf さん Frutiger さんと同じくらい私の憧れだった書体デザイナー Othmar Motter (1927–2010)のデザインを集めた本。先日届きました。

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副題が「エクストラボールドのマイスター」。だいたい、街の中でも通るたびに気になっていたこのロゴのベースの書体 Motter Ombra なんて、エクストラボールドとヘアラインとが一つの文字の中に同居している。逆立ちしても真似できない。
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本の中を見て、個性の強い彼の書体のことはだいたい知っていたつもりでも、あのロゴもこのロゴも Motter さんだったのか、ということに気付かされました。スーパーマーケットでよく見かける、うちの子供も時々買っていたこの飲料メーカーのロゴも。

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そして、世界的に知られているものの中では、日本ビクター株式会社も、Reebok も、Apple 社の1977年のロゴも Motter Tektura がベースになっている。





# by type_director | 2024-07-23 03:10 | 書体見本マニア | Comments(0)
台湾のタイポグラフィ関係の本屋さん
短い休暇をとって台湾に来ています。
きのう、台北市の重本書店に行ってきました。
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私の本を繁体字中国語に翻訳もしてくれるデザイナー、葉忠宜さんの経営する書店です。
この扉の文字は友人にデザインしてもらったそうです。うまいねー。
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中に入ると、グラフィックやタイポグラフィ関係の本がたくさん。希少本も手にとって読むことができます。
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奥に入るとまだまだデザイン関係の本があり、カフェのカウンターで美味しい紅茶と和菓子をいただく。台湾の人が淹れるお茶はどれもおいしい。
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ヨーロッパの書体関係の本で、こんな本あったんだ!というのを何冊も見つけました。ドイツに戻ったら探すつもり。

葉さんとしばらく話をして、私が帰る時間になったら土砂降りになったのでお店の人に傘を借りました。また今度お返しすると約束したから今年中にもう一度来るぞ。

# by type_director | 2024-06-22 22:15 | Comments(0)
ブラックレターのいろいろ
ようやく暖かくなってきたドイツ。
最近いろいろな街を巡って集めたブラックレター。ひとことにブラックレターといってもいろんな種類があり、見ているとそれぞれに特徴があって面白いです。
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上の写真は、Oberhessische Zeitung と書いてある。新聞社の建物。

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上の写真は Märchen Haus つまりメルヘンの家。


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最後の写真、三行目の最初の字は大文字のSです。




# by type_director | 2024-06-10 04:07 | Comments(0)
レトロな文字(4)
フランクフルトの街を歩いていて目に止まったこの書体は、なつかしい Circulus です。
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二行目は「kosmetik」と書かれているはずですが、残念ながら一部なくなってしまったらしい。大学生時代、学校の売店でたまたま目に止まって買ってながめていたインスタントレタリングのカタログにあったこの書体がうまいなーと思っていたので、書体名を覚えていたんですが、実際に使われているのを見たのは初めて。

そのカタログで確認しました。小文字 f は、デジタル化するときに変更されたのかもしれない。
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この書体の考え方として、大文字小文字すべてを直線と円弧だけでつくろうとしているわけですが、円弧はなるべく大きくしたい。そこで小文字の s をつくるとき、小さめの半円をつなげるなんてことをせずに大きめの円弧ふたつをたがいちがいに置いた。そこがうまいと思ってました。

そのインスタントレタリングのカタログの表紙がこれです。あんまりめくりすぎて背が割れてしまった。
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なんで「dry faces」かというと、こすってはがす式の転写シートは、「ドライ・トランスファー・レタリング」とも呼ばれていたから。

それより少し前のレタリングシートには、文字と台紙の全体を水で濡らして台紙から浮き上がった薄い膜状の文字部分を貼り付けたい部分に貼るいわゆる「デカール」方式もあったからです。デカールは水を使うから、それに対してのドライ・トランスファー。日本語にすると「乾式転写」ということになると思います。

このカタログ発行は1977年。表紙全体が70年代です。ネクタイの幅とノットの太さ!



# by type_director | 2024-05-26 13:10 | 書体見本マニア | Comments(0)