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日本の文字について注目することが多かった今月の締めくくりです。
たまに、こういう「口」を見ると、ハッとしてしまいます。小さいな、と思ってしまうけどべつにサイズを間違ったわけでなく、現代の私たちが、もっと大きい「口」に慣れてしまっただけなんでしょう。
書籍だと気にならないと思うけど、大きめにこういう場所の案内に使う場合は字面の大小の差が少ない書体が一般的になった。
そして今月初め、春休みで行った日本国内で飛行機に乗っていて、ここでもハッと気がついた。今度はあきらかにデカい。
さすがにここまでくると、まるで「国」とかの真ん中が欠落したように見える。
ちょうど良い大きさって難しい。
Monotype の日本語書体、たづがね角ゴシックについての講演は5月13日(土)と20日(土)の2回あります。その講演の内容が決まってきました。
デザインの特徴や開発のコンセプトなどについては、もうすぐ刊行される『Typography』11号などで詳しく書いているので、講演のときは新しい話を盛り込もうとスタッフ3人で話し合いました。
その結果、これまでの講演では見せることのなかった手の内、たづがね用に開発した制作ツールを会場で公開することにします!
たづがねについては、「一度に10ウェイト出したことにビックリ」とか「限られた時間とスタッフでできたことにビックリ」という反応をよく耳にします。ツールを実際に動かしているところをご覧いただければ、書体制作の新しい可能性が見えてくるかもです。
Monotype からは、たづがね制作スタッフの山田和寛、土井遼太の二人とディレクターの私の3人フルメンバーが出席します。
最初の講演は東京の青山ブックセンターで5月13日(土)に行われます。
青山の講演の詳細と申し込みはこちら。
5月20日(土)の会の情報は、この一つ前のブログからどうぞ。
Monotype の日本語書体「たづがね角ゴシック」について語る会+書体デザインワークショップを5月20日(土)に大阪でおこないます。
Monotype からは、たづがね制作スタッフの山田和寛、土井遼太の二人とディレクターの私、つまりフルメンバーで開催します。
前半はたづがね制作の舞台裏の話です。後半は人数に制限がありますが欧文書体に合わせて和文書体をつくってみます。コンピュータを使わず紙にスケッチするワークショップなので、学生さんや初心者も大歓迎です!
詳細は こちら 。
参加申し込みは5月1日から。同ページで行います。
こないだ日本に行ったとき、新潟の北書店で「昭和の風景」しばりで本をまとめて買った数冊の本の中に、なぎら健壱さんの本が2冊ありました。なぎらさんが撮った写真に自分で文章を添えているんですが、すごく良いんです。
それに感化されて、新潟でも、その後あちこち移動している間も「昭和の風景」やその名残のようなものに目が行くようになってしまいました。もちろん文字がらみで。
これは東京の日本橋箱崎にある「T-CAT」とも呼ばれる東京シティエアターミナル。今回の日本国内の移動で利用しました。
エスカレーター前に案内カウンターのようなものがあるけれど、使われていません。調べてみたら、1978年の成田空港の開業にあわせてその前の72年に開業とある。昔はここの3階で出国審査まですませてリムジンバスに乗ったそうですが、9/11以降はセキュリティ強化のため空港以外での出国審査が廃止されて、いまは単にバスターミナルとして機能しています。
その3階にあるこのサインの「出発ロビー」は、確かに出発には違いないけれど、外国への旅立ち限定じゃないから、そんなに思いっきり手を振る感じではなくなってきた。
使われている欧文書体は、ITC Eras です。1980年代の私の憧れの書体のひとつ。かっこよかったなー。サインにこういう書体が使われているのもちょっと昭和っぽい。
このゴシック体の「更衣室」の字が昭和だなーと思って撮る。そして脇にまわってみると、なんだかやけに狭い更衣室だなと気がつきます。
開業当時、ここには公衆電話が5台並んでいたと思われます。その後、公衆電話のスペースを改造して一部を更衣室にしたようです。狭いわけだ。ぜったいヒジとかぶつける。
いまは3台のスペースも必要ないらしい。3つの「電話用」スペースのうち一番右は公衆電話ですが、左端は携帯電話の充電器でした。時代の流れを感じます。
武蔵美時代の私の恩師、大町尚友先生が亡くなられたと聞きました。
何も知らなかった大学時代の私が、書体デザインが仕事になるんだということを現実味を持って考えることができたのは大町先生のおかげです。
大町先生の授業は、最初に目の錯覚の話から始まりました。どのような場合に錯覚が起こるのかををまず知り、その図を補正するように手で描き直すという内容でした。その面白さにぐいぐい引き込まれて、のちにとった大町先生のタイプフェイスデザインゼミでもいろんなことを教わりました。なので、私も書体デザインの話をするときは目の錯覚の話をします。
これは大町先生のつくった「マジック73」という書体です。
錯覚のこともいろいろわかった上で、こういう面白いことも考えていらっしゃった。余裕のデザインです。
これについて、丸ゴシック体がベースになった理由とか、じっくりお話をうかがってみたかったのですが、早すぎました。合掌。
ずっと前から、これ日本語版になると良いのにな、と思っていた本がもうすぐ出ます。
ヨースト・ホフリ著『Detail in typography』
私がこの本のことを人から聞いて知ったときは、タイトルからの想像で、ぶ厚い本だろうと思っていましたが、初めて手に取って薄くて軽いことに驚きました。正直言って、これでタイポグラフィの細かいところまで本当に書かれているんだろうか、と半信半疑でした。
中を読むと、簡単な言葉で書かれていて理解できるからぐんぐん引き込まれて、しかも気がつくと細部の考えがわかっている。本当に自分はこの薄さのこの軽さの本を読んでいるのか、と途中で何度か疑ってしまう、とても不思議な感覚でした。あの Hochuli さんが一番大事なところをわかりやすく書くとこうなるんだ、と二回驚いたわけです。
翻訳はモノタイプの私のもとでの勤務経験がある山崎秀貴さんです。私も推薦文を寄せています。
発売は5月だそうです。
第40回を迎える次回の TypeTalksは、Monotype日本語書体制作チームと私が登壇します。
たづがね角ゴシックの制作エピソードなどが掲載された『Typography11』刊行が5月上旬なので、その直後のタイミング。
10種類のウェイトが揃ったこの書体が、限られた時間とスタッフでどのように制作されたのかお話しします。質問も大歓迎です。
詳細と申し込みはこちら。
イースター休暇で家族みんなで日本旅行の最中です。私は新潟にいって、ほぼ毎年開催しているお話会をしてきました。
昨年タイミングが合わず開けなかったため、今年は早い時期での開催となりました。会場の北書店には、夜8時の話会の開始1時間前に到着して、店長の佐藤さんに「こういう本を探してるんだけど…」と相談したら、いまは古本でしか手に入らないようなものまで集めてくれて、合計で10冊くらい購入。
話会は、毎度のメンバーも新しい顔ぶれも混じって、デザイナーでない人が半分くらいいる。毎回そうですが、私が一方的にしゃべるのでなくいきなり質問だけの話会。全然デザインに関係のない参加者からも、デザイナーからも、すごく良い質問が出るんです。毎回どんな話になるのかまったくわからない状態で行くわけですが、今年も面白かった。終わったのが夜中を回っていました。私の方でも情報をたくさんもらいました。
翌日は、参加者からいただいた情報をもとに、カメラを持って市内の沼垂(ぬったり)四つ角へ。目的は、この角にもう数十年は置いてあると思われる手作り感のある「注意」の標識。
えっ、ここか!というようなところに置いてあった。
上がアーケードなので薄暗くなって気づかなかったと思うんだけど、高校の時、何百回とここをバスで通り過ぎているはずだし、歩いて脇を通ったこともあるのに。
しっかりとした楷書体で書いてある。反対側に回ると、右側には「徐行」の字が見える。
この標識はたぶん、信号のなかった時代に交差点の真ん中に置いて使ったんでしょう。新潟に来る前に見ていた、昔の古町のこの写真みたいに。古町のは移動が簡単なように台車がついてる。両方に共通するのは、楷書体で書かれていたという点。古町のは「STOP」さえもが楷書体っぽい。
そういえば、昔の標識の資料で、楷書体を使った図を見たことがある。こういう標識というのは、丸ゴシックに統一される前は楷書体で書かれるのが普通だったのかもしれない。
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