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U と V
フランスのストラスブールに行ってました。この写真はストラスブールに行く前に立ち寄った小さな村で撮ったもの。このへんはワインの名産地です。これはレストランで、「WISTUB DU SOMMELIER」と書いてありますが、U が V になっています。
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これはストラスブールの街の中にある橋。「PONT KUSS」ですが、ここでも V で綴られています。なぜでしょう。
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いっきに2000年前にさかのぼります。古代ローマの遺跡には、U の字がありません。このころはまだ U の字がなくて、発音の違う「U」も「V」も同じ V で表していました。だから、ローマで撮ったこの写真の「AVGUSTA」は「AUGUSTA」のことだし、
U と V_e0175918_1826860.jpg


これはフォロ・ロマーノですが、この2行目の「AVG」も「AUG」つまり初代ローマ皇帝アウグストゥス(在位 BC 27–AD 14)のことでしょう。アルファベットの文字のなかでも、U は新参者なんです。「U」の発音を表す文字として V と区別して使われはじめたのは大ざっぱに1700年前後らしいです。
U と V_e0175918_18252632.jpg


つまり、「歴史があるぞー」と言いたいわけです。
「WISTUB DU SOMMELIER」や「PONT KUSS」は、2000年前のものではないでしょうが、碑文みたいな雰囲気を出したいわけで。

ストラスブールの大聖堂の壁に人の名前がびっしり彫ってありました。
U と V_e0175918_1826375.jpg

2行目は SULTZ が V で綴られています。
左下の四角は
  BARTHOLO
  OMAEUS ZIM
  MERMANN
  AUS CASSEL (AVが合わさっている点に注意!)
と書かれています。カッセル(ドイツの街の名前、いまは Kassel と綴る)のバルトロメオ・ツィンマーマンさんですね。

右下の四角は
  JACOB
  DÜRNINGER  (IN が合わさっている点に注意!)
  JÜNGER
  1763
です。ありがたいことに彫られた年が分かる。ヤコブ・デュルニンガー(Jünger = 若い方、ということだから日本風に言えば「二代目」でしょうか)さんです。ここで V と U とが両方出てくるところが面白い。あ、そういえば J も新参者でした。「IACOB」となってますが「JACOB」のことです。でも、U を V とするのはよく見かけるけど、J を I としてあるのはあんまり見ない気がする。

U を V と綴ったファッションブランドの BVLGARI は今年創立125周年らしいです。ライノタイプより2歳年上。
by type_director | 2009-06-05 12:27 | Comments(4)