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「100年」という単位のことを考えたのが先週、そして今度は「10年」を考えてみます。
本文にも使われるような書体は、あちこちで頻繁に見かけるようになるまでには10年かかる、と思います。
スーパーマーケットに行ったら、2017 年の このブログ で書いた、牛乳に混ぜて甘い飲み物にするための粉末「Kaba」のロゴが、私のつくった書体 Akko Rounded になっていました。Akko の発売は 2011 年。ちょうど10年です。
2017 年のときのパッケージがこれ(下)。
このほかにも、去年見た例では、住んでいる町の旧市街で昔は帽子屋だった小さな個人店が新しくアクセサリーなどのお店に変わっていたので近づいてみたら、そのチラシに使われていたのが Akko だったことも。
そして、昨年8月のブログ で書いたとおり、ドイツの南部の Covid-19 の検査場の案内が Akko で組まれていました。
そして、Akko より少し前に私が設計して 2009 年に発売された DIN Next Rounded のほうも、ドイツ鉄道が昨年新しく導入した車輛の番号や数字部分などに使われています。長男が撮影してくれました。
いつからか知らないけど、テレビ番組のテロップにも使われていました、、ヘッセン地方のニュースです。
Akko や DIN Next Rounded は、本文にも使われることを想定して設計しました。
どちらも、最先端の流行を取り入れた見出し書体と違って、すぐにパッと火がつかないぶん、長く使われるはずです。
そして、前の記事で書いた DIN Next Rounded も含めた DIN Next が今年の Good Design Award ロングライフデザイン賞を受賞いたしました。昨年のNeue Frutiger World に続き、2年連続でロングライフデザイン賞受賞です。
今年6月に、たまたま駅に行ったら鉄道車輌に DIN Next Rounded が使われていたという話をこの記事 で書きました。
そして、ドイツ鉄道が最近 Instagram にあげた この写真 の新型車輌、ドイツの Mannheim 市近郊 S-Bahnで数週間前に運行を始めたのですが、4枚の写真のうち2枚目の車内モニターでは、DIN Next Rounded が採用されていることがわかります。
ドイツ鉄道の専用書体を使っていないことにちょっと驚いたんですが、今の時代、こういう柔らかい表情の文字の方がいいのかもれません。
ちなみに、ドイツ鉄道の専用書体はちょっとゴツゴツしています。この写真は車内モニターではなくて駅の構内の注意書きの立て札ですが、ゴツゴツ感があるのがわかると思います。
ドイツでも少しずつ外出規制が緩和されてきました。
今年3月からの約2ヶ月半は、外出と言ってもマスクは着用のうえで近くの人と1.5m の距離を取って最低限必要な食料品の買い物を短時間でさっと済ませて帰る、と何かに急かされているような行動ばかりでした。
よく晴れたこの週末に長男と一緒に外出しました。1934年製の電気機関車がコブレンツの博物館送りになるのを見届けるためです。これはフランクフルト駅近くの機関庫。日差しはすでに夏になっています。
移送途中のこの状態をマインツで見送ります。目当ての電気機関車は真ん中に挟まれています。長男の説明によれば、台車に問題があるため単独では走らないとのこと。
そしてフランクフルト中央駅に向かいます。この別の1943年製の電気機関車の撮影のためです。
そのとき、偶然ですが DIN Next Rounded の使用例を見つけました。
ここの「max.12」という表示は、自転車を最大12台まで収容可能な車輌という意味です。ドイツではそういう車輌がけっこうあります。もちろん、自転車で移動する人も同乗して旅をします。ピクトグラムは誰かがこのためにつくったのでしょうが、丸みもDIN Next Rounded に合わせてあって、いっしょになって目に優しい感じです。
内容に興味があって、たまたま本屋で注文して買った小説。
きのう朝、フランクフルトのメッセ付近から中心部まで歩いてきました。韓国から来たデザイナーと会って、本屋さんに行ってタイポグラフィやレタリング関係の本をいっしょに物色してから本屋さんの地下のカフェでゆっくりお茶を飲み、一階にあるペーパーバックのコーナーも見ようかといって一回りしたところで、私の書体 FF Acanthus Italicで組まれたタイトルの本が平積みになっているのを発見。即買いしました。
FF Acanthus の Regular や Open はちょくちょく見るのですが、イタリック体のカバーは今回が初めてです。イタリックは、G のシャープなセリフと y の柔らかさが良いコントラストになっているところがポイントで、この著者の名前を表すのにぴったりです。この書体を選んでくれてありがとう! また、表紙のイラストの炎の柔らかさとも響きあってます。
そのデザイナーが次の目的地のイタリアへ向けて旅立ったところで、今度は私の連れ合いといっしょにフランクフルト郊外のショッピングモールへ。
こんなところで、DIN Next Black が!といって喜んでいました。
こんなふうに、書体デザイナーはセールで安く買い物ができるより、自分の書体が使われている場面に遭遇することが嬉しいのです。
以前 この記事 で書いた、ドイツのスーパーマーケット Penny で私の書体 Akko のカスタム版が使われている件の最新情報。
こないだ通りかかったら、Penny ブランドのワインのラベルにいろいろなメッセージという形で使われていました。
さっそく買って家で味見してみたら、安さの割に美味しい。かなりお得感あります。ドイツにいる人、ドイツに立ち寄る予定のある人、チャンスがあればぜひ試してみてください。
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