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ヘルマン・ツァップさんからいただいた活字

きょう6月4日はヘルマン・ツァップさんの命日です。早いもので、もう5年目になります。久しぶりの雨模様の今日、有給休暇をとってダルムシュタットの墓地へお墓参りに行ってきました。

今年は、ヘルマンさんとグドルンさんでお供えの花が二束になってしまったな、と思って花屋さんで白い花を選んで同じものを二つあつらえてもらい、歩いてお墓まで行くと、昨年暮れに亡くなられたグドルンさんの墓石には、まだお名前が刻まれていませんでした。ヘルマンさんの墓石は脇に寄せてあるなどまだ準備中という感じに見えたので、盛り土のところに花束を二束供えてきました。

晩年のヘルマンさんからいただいたものが、うちにたくさんあります。

先日、地下の物置の片付け物をしていて、生前にヘルマンさんからいただいた木活字の箱を久しぶりにあけてみました。文字は全部そろっていません。たぶんどこかの印刷所でもう使わなくなった活字を引き取られたのでしょう。

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「H.ZAPF」と組んであるのは、ヘルマンさんが輪ゴムで束ねておいた状態のままになっています。よく見ると Z が上下逆さまです。この木活字には、ネッキ(通常の金属活字でなどで、活字の上下がわかるようにボディ脇に刻んである溝)がついていないので、それで上下を確認できず逆さまになったのでしょう。

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スクリプト体の方は、箱の中で輪ゴムが切れてバラバラになっていました。箱にはこの書体の活字はこの四本しかないということは、これも「Zapf」に見えるような組み合わせを取っておいたと思われるのですが、それにしてはベースラインが揃っていないですね。

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実は3番目の文字は d です。引き取った活字に p が入っていなかったので、上下逆さにした d で間に合わせたのでしょう。

こんなところにも、ヘルマン・ツァップさんの茶目っ気のある一面が見えます。








# by type_director | 2020-06-04 13:12 | Comments(0)
鉄道車輌の DIN いまむかし

ドイツでも少しずつ外出規制が緩和されてきました。

今年3月からの約2ヶ月半は、外出と言ってもマスクは着用のうえで近くの人と1.5m の距離を取って最低限必要な食料品の買い物を短時間でさっと済ませて帰る、と何かに急かされているような行動ばかりでした。

よく晴れたこの週末に長男と一緒に外出しました。1934年製の電気機関車がコブレンツの博物館送りになるのを見届けるためです。これはフランクフルト駅近くの機関庫。日差しはすでに夏になっています。

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移送途中のこの状態をマインツで見送ります。目当ての電気機関車は真ん中に挟まれています。長男の説明によれば、台車に問題があるため単独では走らないとのこと。

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そしてフランクフルト中央駅に向かいます。この別の1943年製の電気機関車の撮影のためです。

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そのとき、偶然ですが DIN Next Rounded の使用例を見つけました。

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ここの「max.12」という表示は、自転車を最大12台まで収容可能な車輌という意味です。ドイツではそういう車輌がけっこうあります。もちろん、自転車で移動する人も同乗して旅をします。ピクトグラムは誰かがこのためにつくったのでしょうが、丸みもDIN Next Rounded に合わせてあって、いっしょになって目に優しい感じです。

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比較のために、これが一昔前の客車にあったこういう DIN 1451 っぽい書体の見え方です。
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DIN Next Rounded は、いまの時代のオフィシャル感を狙って制作しました。






# by type_director | 2020-06-01 00:39 | 小林章の欧文書体 | Comments(0)
フランスに行った気分に

自宅勤務もすでに二ヶ月が過ぎました。最近の急激な日中の気温上昇のせいで、家の中で自分の居場所を見つけるのがたいへんになってきました。

そこで、家の中を片付ける。そのついでに地下室の荷物を整理していて、ずっと前に買っておいたワインもあけることに。中身はかみさんが味わいます。私は下戸なので、ワインの中身でなくラベルのほうをじっくり味わいます。

書体は Nicolas Cochin(ニコラ・コシャン)です。

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オールドスタイル数字の5は、たいていの書体ではベースラインから下にぶら下がるのですが、この書体やいくつかのフランスの書体の場合は、下がらずに6などと同じく上に飛び出します。それでいいのです。

このワインは、2012年にフランスの Beaune (ボーヌ)という町に行ったとき、慈善施療院に付随の売店で買ってきたものでした。そのときの写真がこれ。

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ワインラベルの書体をながめているだけで、フランスに行った気分になるのだ!

しばらくは、家の中で書体を見て癒されようかな。

この書体 Nicolas Cochin の見本は こちら



# by type_director | 2020-05-26 03:24 | Comments(0)
『デザインノート』で欧文組版のマナーについての記事

5月26日発売の『デザインノート』91号に、私の記事が載っています。

欧文組版のマナーについて、わかりやすい例を載せながら解説しています。

記事に添える例文を作成中に、InDesign での設定次第で欧文の組版がひどい見え方になったり劇的に読みやすくなったりすることがわかって、それについても解説を入れました。その他にも、文章中に出てくる固有名詞を大文字だけで組んだら怒鳴っているみたいだからやめようとか、文中に日本語の単語が入るときの扱いだとかといった基本中の基本がコンパクトにまとまっています。

『デザインノート』91号の情報は こちら


# by type_director | 2020-05-25 16:37 | お知らせ | Comments(0)
STAY HOME

日本でも緊急事態宣言の延長が叫ばれて緊張が高まっていると思います。

私は3月からずっと自宅勤務です。ここドイツのヘッセン州では、今週初めからマスク着用が義務付けられました。海外旅行に対する規制も出ているので、日本へは残念ながら当分行かれそうにありません。

さて、そんな状況ですが、ここで、一息ついてはいかがでしょうか? 大阪の看板書き、サインズシュウさんと仲間たちによる合作で、10分ちょっとの動画のご案内です。私は後半に出てきます。

こちら です。(5月4日リンク更新しました。ジョンさんが動画の中でなにをしゃべっているのか知りたい!というご要望に応えて字幕をつけました。





# by type_director | 2020-05-01 22:09 | お知らせ | Comments(0)