『ロマン主義時代の手書き文字』展 が開かれているというので、フランクフルトのゲーテ博物館のとなりの、Deutsches Romantik-Museum(ドイツ・ロマン主義博物館)に行ってきました。ちょうど少し前に知人と手書きのゴシック文字の字形について話をしていたので、興味があったんです。
会場は思ったより広く、主にロマン主義の時代の小説家についての解説やその作家の自筆のメモや初版本などが展示されていて、そのなかのごく狭い一角に当時の手書き文字のお手本が展示されていました。資料の保存のためか、照明はかなり抑えられていて、展示台のボタンを押した時だけ少し明るくなるという仕組みです。

私の隣では80歳前後と思われるご婦人が食い入るように見入っていました。私もいっしょになって展示台の中の書き文字を解読しようと少し粘ってみましたが、とぎれとぎれにしか読めない。書き方のお手本だから ABCを並べた一覧があって、それを頭に入れてから文章に目を移してようやく読める程度。そんなことをしているとかなりの時間をそこだけで使ってしまいそうなので、あとは展覧会のカタログを買ってじっくり読もう、ということにして館内をまわってみます。文学をテーマにした博物館らしく、単語を並べて遊べる小部屋があった。紫色の照明がちょっと幻想的。

二人がちょっと腰掛けられるスペースなども用意してあって、ほんとうに文学付きの人には心地よい場所です。
階段の踊り場の窓にも文字がある。この書体は Core Serif N です。

買って帰ったカタログを、明るいところでじっくり見ています。本文も館内の表示と同じ書体です。こういう書体の揃え方も、一種のブランディングです。
