ドイツ西部、オランダとベルギー国境に近い町 Aachen(アーヘン)に行ってきました。ドイツで最初にユネスコ世界遺産に登録された大聖堂を見るためです。
1200年の歴史を持つ大聖堂。8世紀末から建設が始まって9世紀初めに完成したのが中央の8角形の建物で、その後600年経って写真左側のゴシック様式の礼拝堂が14世紀終わりから15世紀初めにかけて建てられます。そのため、複数の建築様式の聖堂が隣り合って現在に至っているわけです。
中の様子は
こちらから見られます。
大聖堂はキリスト教の聖地のひとつとされていて、パンフレットによれば 1371年から今日まで7年に一回行われてきた巡礼の期間にはマリアの衣など「四大聖遺物」なるものが開帳になるので、それを拝観するため世界中から10万人以上が訪れるそうです。
2021年にあるはずだった巡礼の儀礼はコロナのパンデミックによって今年の6月に延期となりました。そのため、いまアーヘンの街全体が、6月9日から10日間にわたって行われる巡礼の準備の最中です。
私が行ったときは、大聖堂の周りの補修工事が終わって作業用の足場を解体しているところでした。下の写真は足場の周りを覆う工事用の保護シートです。大聖堂の情報が印刷されていました。
1200年の歴史ということを考えると、荘厳な印象の書体を選びそうなものですが、この街の大聖堂や巡礼に関する情報では、朗らかで親しみやすい雰囲気の書体
Museo と
Museo Sans を組み合わせています。パンフレットでは、見出しには装飾的なデザインの Museo、本文に Museo Sans というふうに使い分けられていました。歴史の重みを感じさせず、明るく現代的な巡礼という印象になっています。
大聖堂の宝物館やその他のアーヘンの施設にまとめて入場できるチケットを入手するためか、大聖堂近くのインフォメーションセンターには長い列ができていました。ここでも Museo です。
少し前にブームになったこの書体、今も安定した人気を保っているということでしょう。
アーヘンの後で国境を超えてオランダに行ったら、たまたま通りかかったパン屋さんのお店でも同じ書体を使っていました。