プレストン市にあった Mouldtype(モールドタイプ)。シェフィールドからプレストン市に移動、知り合いの親戚の家に泊めてもらい、翌日に工場を訪ねます。

工場の中では、数台の Monotype 鋳造機を使って職人さんが販売用の活字を鋳込んでいました。


この画面右下の、ひょうたん形の洗面器みたいな部分が電気炉で、ここで活字用の金属(主に鉛と錫の合金)が溶けています。電気炉の上にぶら下がっている長い棒は活字用の金属棒で「slug(ナメクジ)」と呼ばれていました。活字を鋳込むうちに炉の中の金属が少なくなるので、これがゆっくりと下がって少しずつ溶けてい区ので活字合金の供給が途切れないという仕組みです。

下の写真、画面真ん中の白っぽい線が、一本一本鋳込まれて出てくる活字です。これが一定の長さになったときに右の方に移動し、また新しい活字の列ができます。

ここでも、工場の人に活字の母型の棚に案内していただきました。Monotype 鋳造機の母型は、小さくて四角なフライパンのような形のものの中に1フォント単位で配列されています。 この図 を見るとわかりやすいと思います。

Stephenson Blake と Mouldtype では、あらかじめカタログで選んでおいた花形活字のうち、手に入れられる分を買って東京の嘉瑞工房に送っていただけるよう手続きしました。いずれ、それが印刷物になって日の目を見ることができるようにしたいと思います。