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印刷博物館のこと

きょう、Fontplus Day セミナー「文字の歴史を再発見」をドイツから視聴していました。印刷博物館 の中西保仁さんと木谷正人さんによる丁寧でわかりやすい説明に、ついついのめり込んで最後の質問コーナーまでじっくり聴いてしまいました。

その質問コーナーで、司会の関口さんが、私が博物館の中の印刷工房でインストラクターをしていた話を始めました。まさか私の名前が出ると思っていなかったのでびっくり。

中西さんが笑いながら、「それは小林さんにとって黒歴史じゃなかったんでしょうか」というようなことをおっしゃっていましたが、とんでもない! 自慢したいくらいですが、私ごときが中途半端な知識で知ったかぶってもすぐにメッキが剥げるので、そんなにあちこちで言ってこなかったのです。

この写真は、博物館のインストラクターをしていた2000年の秋、たぶん開館直後に、自分のコレクションの木活字を工房に持って行って刷らせてもらったときのものです。なにせ、昔の印刷機でちゃんと印刷しているところを見ていただくのが目玉だったので、なんでもとにかく刷っていたのです。

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コロンビアン・プレスという19世紀の手動の印刷機の前でローラーを持って笑顔で写っているのが私です。セミナーの説明にも出てきたインクボール(またはダッバー)でインキを均等な濃度で活字面にのせるには高度な技術が必要で、私の時は使っていませんでした。

当時工房で刷ったものも大事に持っています。写真の左にある携帯と比較すると、この木活字の大きさがわかると思います。

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Fontplusday では、博物館の準備段階の話も出てきて懐かしかったです。インストラクターになるためには印刷機や活字の扱い方に慣れて人にも説明できるようになっている必要があるので、準備期間のあいだに高岡重蔵先生、高岡昌生さんと凸版印刷のOBの方々にたくさんご指導いただきました。そして9月に博物館が開館になりインストラクターとして働き始めたその年の末に、Linotype からタイプディレクターに採用の声をかけていただいて、せっかくご指導いただいたのに辞めてドイツに行ってしまうことが申し訳なく、かなり迷っていたことも思い出しました。21年以上前のことです。

印刷インキの匂い、木や金属の活字で一枚一枚刷って仕上がりを確認するときのワクワク感が懐かしい。日本に気軽に行くことができるようになったら、絶対印刷博物館に行くぞ。


by type_director | 2022-04-20 20:49 | Comments(0)