私の住んでいるアパートの最上階には、屋根の傾斜と同じ角度に窓があり、冬はその窓の外側に霜が降りて綺麗な模様を描くことがあります。
先週、雪の降った日の翌朝の朝日が差し込む時間に、その窓に綺麗な模様が描かれていました。黒っぽく見える点は、パラパラと降った細かい雪です。
これを、昨年の昨年の Type& オンライン講演でお話しいただいた、ロンドンでカリグラファーとしてお仕事されている下田恵子さんにお見せしました。たまたまその日メールのやりとりをしていたのです。
そうしたら、その日のうちにこんな返事をいただきました。下田さんの許可をいただいて引用します。
「オーナメンタルフロリッシュそのままですね!メインの線だけでなく、周りの産毛みたいな細い線まで。」カリグラフィーのカッパープレート・スクリプトなどの、文字から伸びたり文字以外の部分につけたりする飾り線に近い、というのです。
また、こうも書かれていました。「私の友人の絵描きが、自然のものを見て写生をしろ、と言うのもそこらへんなのかもしれません。綺麗だなと感じる字や線はこういうところに無理や違和感がないのかもしれないなと思いました。」
まったくそのとおりで、実際にこのあと下田さんはこの写真の模様を筆でスケッチしたそうです。こちらで、下田さんのお仕事が見られます。