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欧文組版のマナー実例: ダーシはハイフンと違う

ハイフンの使い方は、行の終わりにぴったり収まらない単語を途中で切って次行に送るときに使うほか、二つの単語を一つにするときにも使います。

この下の例で出てくる semi-transparent (半透明の)や upside-down (上下逆さまの)などです。

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この例の「film – to」にある横棒は、ハイフンより長いです。これはダーシ(ダッシュ)です。同じ横棒でも、ダーシには、ハイフンとは全く別の役割があります。ここでは、ダーシは前の文章の補足説明になっています。

そのほか、日本で見かける英文で誤用が多いのは、「から…まで」や記号「〜」の意味になる部分でハイフンで代用しているものですが、本来はダーシを使います。たとえばこの下の例なら、「69 から72ページまで」というです。ここでダーシの代わりにハイフンにしてしまうと、「69 の 72」になります。

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この2つの例は Richard L. Gregory 著 『Eye and Brain: The Psychology of Seeing』で、書体は Times New Roman です。

もう少し「から…まで」の例をあげます。最後の行、ある昆虫の標準的な体長を表している解説文で「25 から33 mm まで」。その上の二行では、文末で単語を分けたことを示すハイフンがあるので、太さや長さの違いが確認できます。

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そして、人の名前で、二つ繋がった苗字を表す場合はハイフンです。ここでは、ミュラー・ルッツという姓を持つひとりの人です。生没年の「1854 から1944 まで」はダーシを使っています。
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この2つの例は、André Mégroz 著『Silberfischchen, Lilienhähnchen und andere Insekten』から見つけました。書体は Frutiger Serif です。アドリアン・フルティガーさんと私との共同プロジェクトです。本の装丁は、名著ディテール・イン・タイポグラフィ』のヨースト・ホフリさんです。見事に使ってくださってうれしいです。

このハイフンとダーシの違いをはじめ、英文の表記で気を付けておきたい点については、本『英文サインのデザイン』(私と田代眞理氏との共著)に詳しく書いています。







by type_director | 2020-06-12 21:42 | 欧文組版のマナー実例 | Comments(0)