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目に見えない部分にも語らせる職人技
金属活字の作り手のいろんな工夫と、それをちゃんと活かして使う職人の話、3つめ。この嘉瑞工房のカード、良い意味でネタ満載なんです。
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これまではインキの乗った、黒く印刷される部分を見てきました。ここで、とうとう「印刷しない」部分の話までしちゃいます。

英国で鋳込まれた金属活字 Caslon で刷ったカード、なんとなく、普段見慣れている文章のリズムと違う気がする。なんだか、ぱらぱらしているような…。そう、嘉瑞工房のカードは、単語と疑問符との間を少し開けている。しかもこのカードだけ意図的に。
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うまいなー。これ、カスロンが活字をつくっていた18世紀によく行われた組み方です。当時(18世紀)の Caslon の活字見本を見ると、ほら。
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実際、このカードを見せてもらったとき、嘉瑞工房の高岡さんにこっそり「スペース空けたでしょ」ときいたら、それをわかってくれたか、と喜んでた。

合字をきちんと使う、まあそれは職人として普通にやるでしょう。しかし、スペースでこういう演出までするか。

カード一枚でも、わかる人と話をするのに十分なネタがつまっています。










by type_director | 2018-05-19 02:50 | 金属活字 | Comments(2)
Commented by MRA at 2018-05-22 15:24 x
この空けは知ってる人にだけ通じる、
要は活字マニア間だけで楽しむような組み方なのですか?

それとも英語圏の人たちなら
こういうのもあるね、と結構理解されているものなのですか?
Commented by type_director at 2018-06-02 05:29
MRA さん、ご質問ありがとうございます。

これは「活字マニア間で楽しむ」というよりは、誰にも気づかれずにちょっとだけスパイスを工夫した、というものじゃないでしょうか。

その量を間違えてしまうと気づかれてしまいますが、気づかれずにちょうど良い塩梅で収めるところが肝心なんだと思います。

「ここがこんなふうに空いているからそう見えるのだ」と説明できる人は少ないかもしれませんが、それは確実に伝わります。