長男の情報で、フランクフルトの地下鉄 Dom/Römer(ドーム/レーマー)駅に1973年当時そのままの壁が現れたというので行ってみた。
地上は、このような大聖堂とモダンな建物のコントラストです。
その下にある地下鉄 Dom/Römer(ドーム/レーマー)駅、いま改装工事中。階段やエスカレーター部分などは新しくなっていた。
駅のプラットホームはまだ工事中で、資材が置かれている。
壁は、これまでパネルなどで覆っていた部分が改装工事の途中ではがされて、昔のポスターが貼られたままの壁が見える状態になっている。
このオレンジ色の部分の書体は Cooper Black。
この黄色のブックフェアのは Helvetica。
刷毛目のように見えるのは、ポスターを貼るときに使う糊の跡に45年分のすすやほこりがついているからだと思う。ポスターを貼るとき、バケツに入った糊に大きめのブラシみたいな刷毛を突っ込んで、その刷毛で壁にたっぷりの糊を付けてからポスターをのせ、さらにポスターの上からも同じ刷毛でこするようにしてしわを伸ばすという作業の様子を何回か見たことがある。
これは Gill Sans(ギル・サンズ)の極太のウェイトで、Gill Kayo(ギル・ケイオー)と呼ばれたりしたもの。デジタルフォントのいまは Gill Sans Ultra Bold と言っているらしい。
これはモーターショウで、すべて Helvetica。「13.–23. SEPT. 1973」とあるのが見える。字間の狭さがすごい。「13」のあと、ピリオドとダーシとどっちが先かわからないくらいで、これ以上は無理だろう。
この植物園 Palmengarten のポスターも、 Helvetica を使って字間をツメツメにしている。この時代、Helvetica がどれだけ人気だったか、そして字間のツメがどれだけ流行っていたかがわかります。
M と E との間の空間はほとんど「線」だし、それ以外の文字は全部重なっている。
45年の時の流れを感じさせます。