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日本、ドイツ、DIN Next

先週のきょう、つまり11月26日は、日本にいて東京大学の駒場祭に出ていました。

クリエイティブディレクターの永井一史氏との対談、という大役をおおせつかり、初顔合わせだし私なんかでつとまるのかとドキドキしながら当日早めに会場に向かい、打ち合わせの予定が9時だったのに8時半にはもう到着していました。

そして永井氏が到着、対談の人選をしたデザイン概論の講師である保田氏の案内で、今回の対談のきっかけとなった「デザイン概論」の展示をはじめ、会場である駒場キャンパスの建物をぐるっと見せていただいたときに、あれ、DIN Next(ディン・ネクスト)を使ってくれているな、と気がついた。

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段取りがすべて終わって控え室でスタンバイしているときに、永井一史さんからこの建物のサインを担当されたことをうかがったので、「DIN Next は私がつくったんです」と言ったら永井さんもビックリ、まさか対談の相手である私がそんなところでつながっていたとはご存じなく、そして講師の保田氏もそのことはまったく知らずに人選したのこと。

永井さんにそのあと、なんで DIN Next なんですか、とさらにうかがったところ、ちょっとだけ角を丸くしてあるところが目に優しいという点にちゃーんと気づいていただいてました。私としても、DIN Next が会場のサイン用の書体として選ばれたのは当然嬉しいわけですが、知り合いだとかそういう理由でなく、純粋に永井氏の審美眼にかなって選ばれたたと知ってガッツポーズです。
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対談途中に永井氏が、当日会場の控え室でのこのビックリ話をしてくださったので、文字をつくる仕事、それを使ってロゴのデザインやサインシステムに利用してくれる仕事のことがとてもわかりやすく説明できたと思います。

「デザイン」という言葉から「奇抜な、アート的なもの」を連想されたとしたらそうではなくもっと身近なものなんですよ、という話を会場でしました。たとえばこのエレベーターホールの数字が普通にわかりやすくて、それがちゃんとわかりやすく掲示されているから皆さんが会場に苦労せずにたどり着ける。目立たなくとも日常に普通に機能しているのがデザインなんですよ、という話ができました。

まさに、この会場でこの人選でしか起こりえなかった特別な話になった。会場に来ていただいた方々にも実感を持ってもらえたと思います。そしてさらにビックリなのが、対談のあとの懇親会での別の出会い。デザイナーでないのに DIN Next を趣味で買って使っている人が挨拶してくれました!もう感激です。


そしてその対談の翌日、ドイツに戻ってきました。街はクリスマス一色です。昨日行った、あるショッピングモールで。

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モールの中にあった携帯の充電スポット。Yello というエネルギー供給会社が使っているのは DIN Next Rounded つまり DIN Next の丸ゴシック版です。

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小文字 a の形がキュートです。これは意図的に DIN Next 角ゴシック版とは大きく変えた部分です。


帰り際に、同じモールの本屋に立ち寄ったときに、日本でもちょっと話題になった『サピエンス全史』の著者ユヴァル・ノア・ハラリの新刊が出ていました。ここでも DIN Next です。青い文字の部分が DIN Next Light

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まさにこの一週間は、DIN Next の一週間でした。


あ、ちなみに駒場祭の公式フォントは、たづがね角ゴシック でした。

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良いものをつくれば使っていただけるんだな、この一週間、それを実感できました。






by type_director | 2017-12-03 09:31 | Comments(0)