二つ前に書いた Cefischer さんのことがもっと知りたくなって、彼の自伝『Cefischer errinert sich』を古本で購入しました。1969年発行。届いて初めてわかったんですが、金属活字の Helvetica (ヘルベチカ)で組まれています。
本文が全部 Helvetica で組まれた本を見るのはちょっと珍しい気がする。カタログやパンフレットならたくさんあるんですが、こういうふうに読み物としての本ではあまりない。
前に、合字について何度か書いてますが、いつもセリフ書体中心だった。たとえば
これ 、
これ 、
これ にはサンセリフ書体の合字の写真もある。
これはサンセリフ体 Helvetica でドイツ語の組版。 ch 合字 ck 合字はしっかり使っている。ch、ck がちょっと詰まっているのがわかりますか?
私の本棚にある活字 Helvetica の見本帳。
ここでも ch 合字 ck 合字は使われてます。
金属活字の Helvetica の合字は手元にありませんが、この活字みたいに二つの文字が一本になっているはず。セリフ書体やドイツ文字(ブラックレターともいう)では、つながったデザインでつくられることも多いです。
今はたいていデジタルフォントの組版になって、ドイツ語でもこういう合字は使わないのが当たり前になっている。だから、こういう ch、ck がちょっと詰まった組版を見ると、少し昔の本だということがわかります。