6月の記事、
「世界 CAPS LOCK の日、6月28日!」 で、大文字だけの文章は怒鳴っているように見えるとか本文中に大文字だけの単語が出てくるとそこだけ飛び出て見苦しいとか書きました。
日本では、日本語の文章を英訳したパンフレットや書籍で、イベントのタイトルや本・雑誌の名前を文中でも大文字で組んでいる例が多いです。「タイトルが全部大文字で組まれるから本文中でも大文字」と思い込んでいるのかもしれない。
でもそれは文章中では絶対読みにくい。読者に「なんか読みたくない」と思われたらそこでアウトなんです。
ロゴとかタイトル部分は「見る」、だから別に大文字だけでも問題ない、文章中は「読む」から、大文字小文字の混じった文章の中で飛び出さないのが大事。英文の扱いに慣れていて違いがわかる人は、文中ではちゃんと一般的な表記に従うはずです。
たとえば、このファッション雑誌『ヴォーグ』を例に取ると、カバーでは「VOGUE」というふうに大文字だけで書かれている。
ても、その雑誌のことを語る文章中では、「Vogue」と一般的な固有名詞の表記にします。
雑誌名なので、組版の約束事にしたがって本文中は当然イタリックにするわけです。
ここで「Vogue」の単語の扱いで参考にしたのは、ファッション雑誌『ヴォーグ』の歴代の表紙を集めた『Vogue Covers』という本です。