前々から手書きの看板には興味があって、看板についての手引き書を古本で見つけては買っている。
これはそのなかでも古いもの。『How to write signs, tickets, and posters』で、タイトルや中身から、看板屋さん向けと思われます。1895年にロンドンで出されてます。
入手したとき、本がゆるやかに反っていて、表紙にもしわが。職人さんがズボンのポケットとかに入れて作業していたのでは、という想像をしてしまう。この、左のページがなにか看板屋さんの道具箱をのぞいている感じでワクワクする。
本の中身、最初の部分は、ペンキやペンキつぼ、筆の選び方など。
真ん中くらいからは書体のデザインの話になっていて、基本の考え方やブロック体アルファベットの骨組みを紹介した後は、セリフ書体・エジプシャン体・スクリプト体・ゴシック体など10書体くらいが見本として載っています。その見本の半数はたぶん活字書体です。
こういう展開例も。
これは3年前くらいにロンドンで撮った写真。上のようなガイドブックを参考に看板を書いたんでしょうか。タイムマシンに乗って、これを書いている職人さんの現場を見て、いろいろ尋ねてみたい。