5月12日に、大阪で対談とワークショップをしてきました。テーマは、「日本ではなぜこんなに丸ゴシック体が多いのか?」です。まだいろいろ調査中ですが、当日、私がどんな写真を見せていたのか、どんなことをしゃべっていたのか、
こちら や
こちら からチラっと見ることができます。
私は前座みたいなもんで、主役は、じつはプロの看板屋さんお二人、上林さんと板倉さんでした。去年の10月に取材に行ってからぜったいお願いしようと構想を温めていて、今回やっと大勢の前でお二人との対談と、お二人による看板書き実演ができたんです。
そのとき、看板屋さんが、昔の看板屋さんの字によく見られる古い感じのする字の形を「オジ書き」と言っていました。おじいさんの書き方、というような意味らしいですが、大阪は「オジ書き」の宝庫でした。
新大阪駅南口の「屋外消火栓」の「消」のつくりの部分、頭の毛3本が集中するところがイイ感じです。

そのとなりの「ホース格納箱」の明朝体もイイです。カタカナを明朝体の漢字の書法で書いているのがたまらないです。
押しボタン式信号です。
「オジ書き」の特徴と思われるユルイ角度のハネが「用」に見られます。また、ひらがなの「し」に点のついたのは、最近ほとんど見ないんですが、大阪では現役でしたねー。
そして、押しボタンの写真右上に写っている、高架の桁下高さ注意の看板、真正面に立ってみる。「下」の字の点の短さとか「制限」のバランスとかイイです。
カッティングシートやインクジェットの普及で、画一的で個性のない看板が増える中、看板屋さん達は、昔はちょっとバカにして笑っていたこの「オジ書き」をときどき上手く取り入れるんだそうです。
私の準備不足による当日のハプニングをものともせず、涼しい顔で場を盛り上げ、実演をこなしてくださった上林さんと板倉さんはさすがプロ。お二人の味のある文章、
こちら と
こちら 、そして板倉さんによる補足説明も
こちら にあがってます。