香港のホテルから更新です。
10月4日にドイツを発って5日の金曜日朝に大阪に到着、ホテルに荷物を預けて、すぐ大阪の看板屋さんに直行。泉州で看板屋さんを営んでいるお二人に、いろいろ聞きたかったことをきいて、看板文字の書き方の実演もしていただいて、写植時代の写研の日本語書体ゴナとナールの話を3人でたっぷりして、昼過ぎくらいにおいとまするつもりが、看板を書きながら外に出した七輪で焼いてくれる焼き肉までごちそうになって、結局午後3時過ぎまでおじゃましてしまいました。二人の看板屋さんの掛け合いが面白く、笑いすぎて声が枯れそうでした。
6日の土曜日は、文字好きの人が立ち上げた対談+ワークショップの濃いイベント「和文と欧文」シリーズ第一回のゲストとして呼んでいただきました。会場は大阪の十三(じゅうそう)です。
もう一人のゲストは、というよりそちらがメインですが、字游工房の鳥海修さん。午前中は鳥海さんと対談。対談は初めてでしたが、あっというまの2時間でした。先輩の鳥海さんとは写研で6年間、字游工房で3年間いっしょだったので、話が尽きるわけがありません。
午後はワークショップ、鳥海さんは明朝体のかなを書いてみようという内容、スミ入れまでやってた。
私は欧文のスペーシングです。紙の上に、切った大文字を貼り込んで調整するマニュアルな作業。なぜ切り貼りなのか、理由がちゃんとある。壁に貼ってみたりして、文字と文字との間をもう何分の一ミリ離すかどうか、ギリギリの判断をしながら集中した3時間半でした。
参加者の反応が良かった。「モニターを見ているわけじゃないのに眼が痛い!」
けさ大阪を発って、昼過ぎに香港に到着しました。これから ATypI (国際タイポグラフィ協会)のコンファレンスで話す講演の準備と、明日締め切りのフォントのデザインの仕事です。なのであまり細かいことは書かず、何を見てきたかだけをざっと。
日頃、欧文にしか目が行ってないんですが、看板屋さんと話し込んでしまったせいで、ゴナとかナールとかに目が行くようになってしまいました。
大阪です。ゴナの駅名。やっぱりゴナは良い字だと思う。
「多目的」以外、小さい字はナール。「レンタル」はゴナ。
これはゴナでもナールでもないけど気になったもの。十三で対談のあと休憩時間に外に出て撮った。
さっき到着した香港です。
同じ漢字でも「家」の字の形の取り方は違うもんだ。
香港でもナール(らしきもの)発見。
とうぶん欧文モードに切り替わらなかったらどうしよう。
追記:香港に来てタクシーの中から見た看板。欧文のスペーシングがエグいことになってます。
「エグい」は大阪の看板屋さんから教わった日本語です。正しい使い方かどうかちょっと不安ですが、これ見たら使ってみたくなりました。きのう何分の一ミリとか細かいことをいったてけど、ここでは何十センチ単位の話になっている。