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碑文を書き換えた例
二つ前の記事を書いたとき、これも載せようと思って数年前に撮った写真を引っ張り出してきました。

ローマのフォロ・ロマーノにある、セプティミウス・セウェルスの凱旋門。
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いっぱいある黒い点は、元々あったものです。この碑文は文字を凹み部分だけで表現したのでなく、まず文字の形を凹状に彫って、その凹みにブロンズ製の文字をはめこんで固定するということをしていて、ブロンズ製の文字の裏側のほぞを収めるためのほぞ穴を壁側にうがっていたわけです。いまはブロンズの文字はなくなっていて、凹みとほぞ穴だけが残っています。
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4行目がおかしなことになっている。「OPTIMIS FORTISSIMISQUE PRINCIPIBUS」と書いてある行ですが、文字とほぞ穴とが一致しないのがある。

調べてみたら、こういうことらしい。211年のセウェルス没後、彼の二人の子供カラカラとゲタは共同皇帝として即位したけれど、212年にカラカラがゲタを暗殺して、単独の皇帝となったカラカラの命によって元々この碑文にあったゲタの名前が削除されることになったそうです。

削除した文章の部分は一段掘り下げられているのかな? 肉眼ではちょっと確認できなかったけど、元の文字の凹みは目立ちません。でも、ほぞ穴は深いからはっきり見えます。たぶん、書き換えられたときに元のほぞ穴は埋められたんじゃないかと思うんですが、大理石より長持ちしなくて、風雨にさらされてなくなっちゃったのかな。

新しいのは元のよりちょっと上に彫ってある。
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元の文章は「P. SEPTIMIO L. FIL GETAE NOBILISSI(セプティミウスの貴い息子ゲタに)」だったそうで、よーく見ると「P・SEPTIMIO」くらいはわかる気がする。ピリオドは上下の中央にきます。

原文の文章や解説は こちら を参考にしました。
by type_director | 2012-08-19 07:57 | Comments(0)