おととい3月24日は TypeTalks でした。
テーマは、欧文組版について。私はスカイプで参加していました。経験豊富なコンさんの用意してきた組版例がとても良くて、会場のみんなもききたかったんでしょうね、いつも以上に活発な意見交換がされていて面白かった。
Adobe Caslon や Adobe Garamond を InDesign などアドビ社のグラフィック用アプリケーションで使うと、英文でよく出てくる「The」などの T-h の組み合わせが自動的に合字(ごうじ)になるように設定されているんです。下の図、左側二つがアドビのフォントを使って組んだ「The」。
これは好みの問題で、使ったから、あるいは使わないから間違いとかそういうことはないです。
24日の TypeTalks では、会場から「どうやって T-h 合字を避けるか」という質問が出ました。みんながいろいろ知恵を絞っているところとか笑ったー。そこで私がひと言。
「そんなに T-h 合字がイヤなら、別のフォント使えばいいじゃん。」
Stempel Garamond とか、たいていのライノタイプの定番フォントには T-h 合字がありません。必要性を感じないからつくっていない。
カリグラファーでデザイナーでもあるアメリカのポール・ショーさんも、T-h 合字ってどうなのって思っている。
こちら のページの真ん中あたり。彼は、カリグラフィではよく T-h をつなげてスペーシングを調整するけど、文章組になるとやっぱり違和感があるということを書いてます。
アドビのフォントにこの T-h 合字を入れる決断をしたのはロバート・スリンバックさんです。彼にこれについて直接尋ねたときの返事は、『フォントのふしぎ』173ページに載ってます。
3月28日追記:akira1975 さんが紹介してくれた
Typophileのスレッド もどうぞ。