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Zapf 展の見どころ(2)
これは、Zapf 展の図録に付いてくる図版解説です。制作年みたいに、おきまりの情報だけでなく、ヘルマン・ツァップさんのコメントとか、字の形の解説などが要所要所に入ってきます。
Zapf 展の見どころ(2)_e0175918_5582691.jpg


これとは別に、展覧会の会場入り口でもらえる作品解説もすごいよー。

カリグラフィ作品の多くは、英語かドイツ語で書かれています。一部にはフランス語やラテン語も。先人達の遺した言葉の中からツァップさんご夫妻が選りすぐって、その言葉にふさわしい形を与えられたものなんだから、その文章の意味がわかるのとわからないのとでは、味わい方に大きな差が出てきてしまいます。

でもご心配なく。J-LAF さんの協力により、作品の文章のほとんどには、ちゃーんと日本語訳がついてます! 長いのになると2600字以上。これで外国語に明るくなくても安心…いや、逆に別の心配が。それを読んでいて思ったんだけど、これって会場で涙を流してしまう人がたくさんいるんじゃないか?

短くても、良い言葉がありますよ。これなんかどうでしょう。
世界的なチェロ演奏家、パブロ・カザルスの言葉です。

  今、私は93歳を越えています。
  ですから、決して若くはありません。
  少なくとも、90歳の時より若くはありません。
  けれども、年齢は相対的なものであります。
  活動を続けて、私達のまわりの世界の美しさを受け入れ続ければ、
  年というのは、必ずしも老いるという意味ではないことに気がつきます。
  昔より今の方が、物事に対しての感受性はずっと強くなりました。
  そして人生はますます魅力を増しています。

いまグドルンさん93歳、ヘルマン・ツァップさんはもうじき93歳になられます。


作品解説には、J-LAF さんがツァップさんからじかに聞き取ってきた、ペンの動かしかたの解説も要所要所についている。

私からは、活字の制作過程で書かれた走り書きのメモの解説や、字形修整についての指示の読み解き方の解説。「えっ? 制作開始から4年経ってるのに、この字をボツにしちゃうの?」というギリギリの決断のあった部分も解説しています。

それもこれも、「なんかキレイだねー」で終わらないぞ!という意気込みがあるからです。

文章も味わっていただきたい、ペンの力の入れ具合まで想像していただきたい、活字制作の現場の緊張感まで感じ取っていただきたい、という、まさにてんこ盛りの解説になっています。
by type_director | 2011-09-06 03:28 | Comments(8)
Commented by marisophie at 2011-09-07 11:08 x
見どころを読んで、こちらまでなんだかドキドキしてきました。展覧会ではご夫妻の作品とじっくり向き合いたいと思います。TypeTalksの日はカリグラフィの新学期の初日です。3時間みっちり文字を書いた後、会場に駆けつけます!
Commented by type_director at 2011-09-07 14:59
marisophie さん、ありがとうございます! 本当は、キリスト教の儀式について marisophie さんにしつこく尋ねて、細かく調べていただいたたことなどもここで書きたかったんですが、ブログの記事としては情報が多すぎて煩雑になるのでよしました。でも、おかげで図版解説全体のレベルが高くなったことは確実です。それは解説を見た人にちゃんと伝わると思います!
Commented by Chino Fujimori at 2011-09-09 00:36 x
展覧会楽しみにしています。図録も読みごたえありそうで、ワクワクします。それにしても、語学力の必要性を常々感じています。私は今のところ英語の勉強で手一杯。ドイツ語も勉強したいです。
Commented by kawahara at 2011-09-12 01:21 x
こんちには.いつも楽しく拝見しております.
実はぼくもドイツ在住なんですが,このZapf 展はドイツでも開催されるんでしょうか?残念ながら会期中に日本に帰られそうにないので,こちらでも拝見できる機会があればたいへんうれしいです!
Commented by type_director at 2011-09-12 03:36
Chino Fujimori さん、ぜったい良い展覧会になっていると思います。私も観に行かれないのが残念。会場の様子とかも見たいですね。
Commented by type_director at 2011-09-12 03:36
kawahara さん、あいにく、いまのところドイツや他の国での開催の予定はありません。この展覧会は J-LAF さんが積極的にツァップさんに働きかけてくれたので、その熱意に動かされた、という感じがあります。
Commented by mayuko at 2011-09-13 10:22 x
小林さん、先日青山ブックセンターで講義ありがとうございました。
毎回とても楽しみにしています。Zapf展早く行きたいです。
じっくり穴が開くほど見てきます。
Commented by type_director at 2011-09-13 13:04
mayuko さん、いよいよ今日からです!じっくり堪能してください!