用があってフランクフルト国際空港まで行きました。この建物で主に使われている書体は2種類あります。
空港としての機能に関わってくる、例えばフライト情報やゲートの方向などは
Univers の 55 Roman かな?
建物そのものに取り付けられている文字は、運営している Fraport という会社のコーポレート書体である
ITC Stone Sans の Semibold と Semibold Italic だと思います。
Univers と Stone Sans、どちらも最近バージョンアップしました。
Univers Next と
ITC Stone Sans II です。
どこが違うのか簡単に説明すると、「Univers」を改刻して63ウェイトにファミリー拡張したさいに「Linotype Univers」として97年にリリースしたのですが、その後の改刻のシリーズにはすべて「next」「nova」の名前をつけているので、「Linotype Univers」じゃあ改刻版なのかどうかわからない、という問題が出てきたからです。名前を付け替えただけでなく、字形とスペーシングの微調整を私が監督しています。
Stone Sans II のほうは、オリジナルのデザイナーであるサムナー・ストーンさんがモノタイプ・イメージング社の協力で改刻とファミリー拡張をしています。最初のバージョン「ITC Stone Sans」はたった3ウェイト(Medium, Semibold, Bold)だったけれど、今回の改刻で6ウェイトに増えました。また、これまで無かったコンデンス体も6ウェイト追加です。