ドイツは昨年12月半ばからずっと雪が降ったり止んだりの繰り返しで、とくに正月からは30年ぶりの寒波が来たりして、ひと月以上ずっと雪に覆われている気がします。
きのう1月28日も本格的な雪になりました。ちょっと前の寒波の時のサラサラの粉雪と違って、やや湿った雪です。大きめの雪片が舞ってくるのを見ていると、小学校3年生くらいの時のことを思い出します。
これは会社の窓からの風景ですが、その時の雰囲気にちょっと近いかなと思って。
私の通っていた新潟市の小学校は、木造二階建ての校舎でした。その二階の窓から雪の降ってくる空を見上げて、こういうことをけっこう長い間真剣に考えていました。
「雪は、空にあるときは灰色なのに、落ちてきて校舎の屋根から下に来ると白くなる。なんでだろう。」
木造の校舎の壁は黒っぽかった。たぶん校舎には腐食止めにコールタールを塗ってあったのかもしれない。雪片はその背景との明度差で、曇り空を舞ってるときは灰色に、校舎が背景になると白に見えたわけなんですが、そういうことがわかったのは美大に入ってから。
白と黒とのバランスって、書体デザインではけっこう大事です。たまたま小学校の時にぼーっと見ていたそんな風景が、白黒の対比を考える時に役に立ってるんじゃないかと思います。
雪の中を歩いて帰ります。30分かかりますが、雪の中を歩くと落ち着きます。
そういえば、同じころに小学校の音楽の授業で習った「お正月」の歌の「お正月には凧上げて」の部分を歌って、おかしいなーと思ってた。正月は吹雪だったり膝まで雪が積もってたりするのに、なんで凧が上げられるのかなーって。
新潟以外の世界を知らなかったんですね。大学に入って、関東地方の1月を初めて体験して分かった。あれは関東地方の正月だからできるんだ!
けっこうカルチャーショックでした。