ドイツのファッション雑誌『Brigitte』が、プロのモデルを使用するのをやめました。年明けに買い物に行ったときに「モデル不使用」と帯に書かれていたのが目にとまって買ってきました。
中には、その趣旨が書いてあって、要約すると、「30年前のファッションモデルは普通の人の平均体重より9%やせていた。いまのモデルは23%やせている」そうで、したがって現実的でないからモデルを使わないことにしたのだそうです。流行の服を着て写っているのは20代から40代くらいの普通の人。表紙もそうです。
「退屈なおばさんの雑誌にしたくないから、カメラマンとメイクは一流のスタッフを使っている」とも。ダイエット特集を組んでいますが、「太りすぎは健康によくないから」というちゃんとした理由が書かれていました。
これは、スキンケア製品のブランド、Dove の広告。モデル不使用運動の趣旨に賛同して巻頭6ページを使っています。「真実の美しさを知ったら、もうやめられない」というヘッドコピー。こちらの
『Brigitte』のウェブサイトの右上でも見られます。
ちなみに、Dove の広告見出し部分で使われているのは Neue Helvetica (ノイエ・ヘルベチカ)の
Thin というウェイトだと思います。 Neue Helvetica ファミリーの細い方から数えて2番目。
30年前の広告では、コピー部分にこんな細い書体は使わなかったでしょうね。しかもグレーだし。だいたい、こんなに細いウェイトのサンセリフ体は当時はあまりありませんでした。いまはコピーに使われる書体もやせているということでしょうか。