パリからの更新です。
メトロのこの字、これを見るとパリだなって思いますよね。書体になってます。
Metropolitaines (メトロポリタン)です。
このフォント、1905年エクトール・ギマール作となっているから、当時は活字としても発売されたんでしょう。M の字とかこれと同じじゃないし、T の背の高いのもフォントにはないから組んでもぴったり同じにはなりませんが、他ならぬこの地下鉄入り口のデザイナー、ギマールのデザインということで。
フランス風のスクリプト体。この写真の字は手書きですが、
Linoscript (ライノスクリプト)とか
ITC Redonda (レドンダ)が近い形をしています。
これは、あのポスター作家、カッサンドルが1937年につくった書体
Peignot (ペイニョ)。
そしてこれは
Bernhard Fashion (ベルンハード・ファッション)です。
ドイツ生まれのデザイナーが1929年にアメリカの ATF 活字鋳造所向けにつくった書体らしいですが、パリのカフェでこんなぐあいに使ってあると、実にしっくりきます。書体のデザインがアールデコ風なので、店の装飾とも合っている。