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ベルン・味のある文字
ベルンに行ってました。ベルンの街は歴史的な建物が多くて、建物も面白いけど、古い商店のレタリング(建物に直接描かれているものが多いので看板とは呼べない)も実に味があって面白いんです。とりあえず並べてみましょう。

これはアンティークの家具とかを置いてある Mäder Wohnkunst。
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水道とセメント工事って書いてある。
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このカフェは味のあるサンセリフ体です。ときどきうちの会社のサポートセンターを通じて「この書体は何?」っていう質問を受けますが、看板とか墓石とかの写真があったりします。そういうのは職人さんの手から生まれるもので、ぴったりの書体が見つからない場合がほとんどです。当然、ここで紹介しているものも。
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同じカフェの黒板がこうなっている。「Alte Post」ってことは、昔は郵便局だったのか? 左の黄色いのは郵便のシンボル、ホルンです。
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階段に刻んである「1810」は年号か。だとしたら下の段と100年の差が? 周りに公園の管理人らしい人がいたら聞こうと思ったけど見つからなかった。1の字に味がある。
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朝市のチーズも味がある。試食して、 Bergkäse は前から好きで、ここのもおいしかったので Bergkäse と Gruyere を買いました。代金を払った後で、「写真を撮っても良いですか」と店のおばさんに許可をもらって撮りました。文字にもチーズにも、飾らないけど深い味わいがある。
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奥のグリュエールにばかり目がいってて、あとで気がついたのが、手前に置いてあったこのカビで覆われたでかいの。かなり大きくて、私ひとりじゃ抱えられないんじゃないかな。
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店の人に聞いたら、2年ものの Emmenthaler だそうで、これもその場で試食させてもらった。ふだん食べてたスーパーマーケットの Emmenthaler と全然違う! 一切れを包んでもらって、代金を払おうとしたら「いいのよ」っていわれた。私が最初に試食しているときにアメリカ人観光客らしい人が黙って脇からバチバチ写真を撮っていて、私も撮られたのであまり良い気持ちはしなかったけど、私はちゃんとチーズ屋のおばさんにことわったから印象が良くなったのかな。「ありがとう、良い一日を!」と言ってまたベルンの街を歩きました。また今度この屋台に来よう。
by type_director | 2009-10-01 03:44 | Comments(4)
Commented by y_and_r_d at 2009-10-01 07:45
こんにちは。
その場の雰囲気と、材質と、意味によって
フォントが使い分けられているのがよくわかります。
フォントも文化のひとつと認識されているんですね。
ヨーロッパに行くとついついフォントが気になってしまいます。
Commented by 森田文明 at 2009-10-01 09:54 x
タイプディレクターのお仕事というのは、きっと言語学にも通じていなければならないのでしょうね。デザインというより学術的な側面を強く感じます。それにしてもアルファベットは、形を変え、発音を変え、その地その地で歴史を纏いながら世界中に広まっていきました。僕はサンタナの曲が好きで、前世はメキシコ人か・・とか勝手に思っているのですが「エスパニョール」について何か面白い話題がありましたらお願いします。
Commented by type_director at 2009-10-04 06:18
y_and_r_d さん、コメント有り難うございます。気になるでしょう? 私なんか家族と旅行しても8割は文字の写真ですから。
Commented by type_director at 2009-10-04 06:22
森田文明さん、言語学みたいなのに私が向いているかどうか分かりませんが、これだけは自信を持って言えるというのがあります。それは、単語の書き間違いが少ないことです。書体デザイナーは単語の形を常に見ているからだと思います。エスパニョールのテーマ、いつか実現させたいです。